イーブンパーの31位と伸び悩んだ初日から、午前終了時点で通算9アンダーの単独トップに浮上した。
前半の11番で、1メートルを決めるとそこから立て続けに短いチャンスを沈めて、3連続バーディで流れを作った。
連続バーディの15番では7メートルを決め、ワンオンに成功した16番パー4は、10メートルのイーグルパットも入りかけ。
前半の最後18番では1.5メートルも逃さず、比較的スコアが伸ばしやすいインコースで6アンダーの貯金を作ると、難ホールが続くアウト9ホールも勢いは止まらず。
2、3、6番と、その時点で自己ベストを更新し、50台にも迫る勢いだった。
最後9番で、手前2メートルを逃したのは残念だったが、ワンオン狙いのティショットがバンカーあごに刺さった8番では、外から10メートル超のパーパットをしのいで、ボギーなしで戻ってきた。
この「関西オープン」は、地元大阪府吹田市の大阪学院大付属高校時の2017年から数えて5度出場。
「アマのころから出させていただきましたし、勝ちたい試合のひとつ」と話す。
大阪学院大学3年時には、監督らの理解を得て在学のまま学内初の学生プロに。
初年度の2022年は、11位タイの成績を残している。
あれから2年の間に通算2勝を飾り、昨季は同学年の中島らと賞金レースもけん引した。
中島が、今年2月に欧州初制覇を達成した時はすぐにお祝いメッセージを送ったそうだ。
「彼の実力だといつかは勝つと思っていたし、驚かないですけど、彼は人間性も素晴らしいので。より自分のことみたいにうれしかった」という。
「本当にすごいこと」と、改めて称え、「僕も世界で活躍したい思いはある」と目標を語る一方で、「ただ今は、自分は日本で頑張ってるし、僕より若い選手も増えてきました。みんなでこの日本ツアーをもっと盛り上げていければ見てくださる方にも喜んでいただける」と、秘めた思いは今週もブレない。
関西のアマを束ねる関西ゴルフ連盟(KGU)主催の本大会は、今年も母校の在学生が6人も出場し、“先駆者”のゴルフを見つめている。
予選ラウンドで平田と回った同大学2年の小窪都斗(こくぼ・ひろと)さん。
普段から、監督に在学時の平田の話をよく聞くそうで、「きょうはどっから打っても乗るし、どっから打っても入る印象。最初に作った波を切らさないのもすごかった」と、伝説通りのゴルフに感嘆していた。
「自分でも、後輩たちに見せたい思いは多少なりともある」。
クールに語る表情は、我が家で一変。
今週月曜日に3週ぶりに吹田市の自宅に戻り、「何よりの癒し」という愛犬のププとビビとじゃれ合い、つかの間のリフレッシュ。
英気を注入し、昨年8月の「日本プロ」以来となる通算3勝へ。
「地元関西で1勝できたら最高かな」。
ケンケン(平田の愛称)のV報告をワンちゃんたちも待っている。