桂川は、愛知県の出身。
先週の共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」で史上6人目の日本勢Vを達成し、欧州・DPワールドツアーのシード権を獲得したが、すぐ今週の「ボルボチャイナオープン」に出ようにもビザが間に合わない。
余談だが、申請には祝休日をのぞいて少なくとも4営業日がかかるそうだ。
「できるだけ早く世界へ」と急ぐ気持ちはひとまず置いて、今週は地元が誇る伝統の一戦で、2週連続優勝に挑むことになった。
清須市で生まれ、お母さん一人の手で育てられ、ゴルフはおじいさんに習った。
おじいさんは「アマでやってるくらいが楽しいぞ」と言ったそうだが、プロを目指すきっかけは、知人のつてを頼って実現した高校3年間のフィリピン留学から。
当時の仲間にPGAツアーで活躍するトム・キムがいる。
共にマニラのサウスウッズGCで練習し、年2回のペースで行われていたクラブ対抗戦でチームを組むたび勝利に貢献した。
「2人で勝ちまくっていました」という当地での成功体験が原点にある。
「強い選手と戦いたい。PGAツアーには、小さい時からの憧れや夢がある」と、昨季は米二部「コーンフェリーツアー」に挑戦。
資格が得られる上位30人を目指したが、昇格には至らなかった。
「中途半端になりそうな感じがあって、モヤモヤな感じがあった。これって決めようと、今年は日本で集中していくことにした」と、いちからの再挑戦を誓った矢先の欧州初制覇だった。
快挙に間違いないが、先週の欧州ツアーは日本での開催。
「正直なところ、今回は日本で、慣れているコースで優勝かな、という思いが少なからずある」と、桂川。
「海外優勝は、まだないのでそこを目指して。整い次第行きたいな、と思います」。
さらに大海を目指して旅立つ前に、地元に凱旋。
愛知から、世界へ。
今週は、地元ファンに背中を押される。