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ディライトワークス JGTO ファイナル 2024
26,869円差で山田大晟が逆転賞金王!ABEMAツアー最終戦を制す
今シーズンのABEMAツアー最終戦となるディライトワークスJGTOファイナルを制したのは山田大晟。14アンダーの単独首位からスタートして、1度もトップの座を譲ることなく、見事な逃げ切りで2022年以来となるABEMAツアー2勝目を飾った。
「1勝目よりも2勝目の方が難しいとよく言われますが、それを身にしみて感じながらの2年でした」。
この2年間は山田にとって、おそらくもっとできる自信があったはず。それがこの最終戦をむかえる時点では、QTへ行くことを覚悟しなければならない状況だった。
ただ、山田本人は最終戦という焦りに近い感覚を持ちながらも、いざコースに入った時にはもうやるしかないと割り切れていた。
「ダメならという言い方は変ですけど、行くべきところ(QT)は決まっているので、もうやるしかないと気持ちは切り替えられていました」。
スイングの調子は徐々に上向きになっていたが、とても優勝を狙える状態ではなかった。そこまで自分に期待していなかったことと、今取り組んでいる技術面でのチェックポイントにフォーカスできていたことが今回の優勝に繋がったと言える。
「最終日になると色々考えることも多くて、緊張もありましたし、どこかでやらかすんじゃないかなと思いながらプレーはしていました。ただ、ぼくができることは限られていて、それ以上を目指しても上手くいかないことが多いし、できないことをやろうとしても失敗するだろうし。だから、自分の気をつけていることだったり、目の前の1打を大切にすることだったりしかできないと思っていたので、今日も前半から苦しかったんですが、とにかくバーディパットを打ち続けることができたのが、この結果に繋がったのかなと思います」。
雨の影響もあり、アプローチの難度は高くなっていた。それも加味して、とにかくフェアウェイキープとパーオンさせることをこの日の最大のテーマにしていた。やるべきことは絞られていたからこそ、邪念が入らなかったというのがこの日の山田のプレーの印象だ。
ただ、ラッキーもあった。11番ホールのパー4でティショットを右に大ミスしたのが、木に当たってフェアウェイに戻ってきた。しかも、そのホールでバーディを奪取。
「あそこは大きかったと思います。優勝を意識ということではないんですが、いい流れが来ているなというのは感じました」。
勝つ時は、そういう運とか流れを掴むことも重要な要素になる。
終わってみれば2位以下に5打差の圧勝。しかも山田自身がホールアウトするまで全く気づいていなかった賞金王にも大逆転で輝いた。2位の内藤寛太郎とはなんと26,869円差だった。
僅差で来年レギュラーツアーの出場資格を獲得したことに対して、山田は「棚からぼたもち」とまさかの賞金王に戸惑いながらも喜びを表現していたが、ここからがスタートだということを山田自身が一番自覚している。1勝目を挙げた後に苦しんだからこそ、この2勝目の重みは誰よりも感じている。この1勝を糧に、自分がやるべきことに集中して、次こそは更なるステップアップを目指してもらいたい。