Tournament article

エリートグリップチャレンジ 2024

作田大地がプレーオフを制しABEMAツアー初制覇!想定外の優勝に喜びもひとしお

12アンダーの単独首位からスタートした作田大地が山﨑帆久登とのプレーオフを制して、悲願のABEMAツアー初優勝を手にした。

 

「まだ優勝した実感は湧きませんが、とりあえずホッとしました。ずっと緊張感がある中でプレーしていたので、やっと勝てたという感じです」。

この日はスタートホールでボギーを叩く苦しい展開。「最初は緊張というかふわふわした感じでやっていました」。

元々緊張癖があるという作田なだけに、これまでも緊張で優勝争いから脱落していった経験が幾度かある。それでもこの日の作田は緊張感の中にも妙な落ち着きが感じられた。

 

作田は1997年生まれの27歳。石川県出身で、ツアーのデビュー戦は2022年と、今年は実質の2年目ということになる。

今シーズンは出場できる試合が限られており、少ないチャンスを活かさなければならない状況だが、作田の心の中にはある強い思いがあった。それは今年に入ってから始めたスイング改造で取り組んでいることを試合でもやり切ることだ。それを証明したショットが、プレーオフ1ホール目の2打目だ。

ゴールデンバレーゴルフ倶楽部の象徴とも言える新池がグリーン横まで右サイドに広がる18番ホールパー5で行われたプレーオフ。まずはティショットを3番ウッドでフェアウェイをしっかりキープした作田に対して、山﨑はティショットをバンカーに入れてしまう。さらにレイアップしたセカンドショットもバンカーに入れてしまうという連続ミス。それを見てからの作田のセカンドショットだっただけに安全に攻めると思いきや、池の上に切られた右サイドのピンをユーティリティでデッドに狙っていった。

 

「池に入れて負けたら、それはそれでしょうがないかなと思って狙いました」。

淡々と答える作田だが、普通なら初優勝がかかった場面でなかなかできることではない。しかも自分が有利な立場にあるなら尚更安全策を取りそうなものだが、そこで逃げていては意味がない。そういう強い意思が作田のショットから感じられた。

 

「今年は優勝なんてとても考えていませんでした。とりあえず賞金ランキングも上位に入れるとは思いますが、そこはあまり意識せずに目の前の試合、特に今回の優勝で出場させてもらえるカシオワールドオープンで頑張りたいと思います」。

まだまだスイング改造は取り組み始めたばかりだが、ミスショットした時の原因が何かが自分で理解できるようになってからは、変にイライラせずに、そのミスさえも楽しめていると作田。改善策がしっかりわかっているから、ミスも受け入れられる。ゴルフを心から楽しめている作田にとって、今回の優勝はさらなる進化を加速させる意味ある1勝になるかもしれない。





 

関連記事