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横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~ 2024

3年ぶりに決勝に進んだ野仲茂「めっそうもない」いろんなV記録はかかるけど

この日4つのバーディはもちろん、最後難しい18番パー3のきわどいパーでもひときわ大きな歓声を浴びて上がってきた。


高卒の18歳で、開催コースの横浜カントリークラブに研修生として入社し、92年のプロ入りからずっと所属プロ。

53歳の野仲茂(のなか・しげる)が、通算9アンダーで、2021年の「日本プロ」以来の決勝進出を決め、駆け付けたメンバーさんや家族や、何より初キャディを務める慶応大ゴルフ部1年の長男・勇羽(ゆう)さんが嬉しそう。



「僕は慣れているけど息子のほうは緊張しちゃって。ゴルフを始めたばかりだから良い勉強」と、父親の威厳も示せたのは良かった。


予選2日間は藤田寛之と、プロより強いと言われた伝説のアマチュア中部銀次郎さんのご子息の隆さんと同組。

野仲のひとつ上の2人と合わせると163歳。


そんなことをこの日のスタート前にわちゃわちゃと話していたら、それをそのまま選手紹介でアナウンスされて、3人で「ちょっとちょっと」と、突っ込む場面も。



「和気あいあいに楽しくプレーできた」と組に恵まれたが、決勝ラウンドはまたがらりと雰囲気が変わる。

「今の若い子は飛ぶし、素直でうまいし、僕らみたいに手前からちょこちょこやってダメだとアプローチでこそこそやってるゴルフじゃないから見ちゃうかもしれないけど若い子の何かを吸収できればいいかな」と、謙虚に「飛距離じゃかなわないから。技のほうで勝てればいいかな」と、持てる力を発揮する。


盛夏の時期は、メンバーさんも短パンでプレーは可能だそうだ。

でも、野仲は35年もいて、所属コースを短パンでプレーするのは初めて。


「ラウンドレッスンとかはやっぱり、仕事ですから。きちんとしてみられたくて」と長ズボンを通してきたが、本大会での解禁に合わせて野仲も初挑戦。

「お腹を見られるより恥ずかしい…」と、最初は生足に照れたが、「今の暑さはハンパじゃないから。楽ですね。風も入ってきますしね」と、若い子たちと一緒に満喫している。


2010年の「関西オープン」以来、13年355日ぶりの2勝目なら、1980年「静岡オープン」~1993年「よみうりさっぽろ」で記録した長谷川勝治氏の13年82日を抜いて最長のブランク記録を更新する。


また、勝てば2002年の「全日空オープン」の尾崎将司の55歳241日に次ぐ2番目の年長V記録も達成するが、「めっそうもない。ジャンボさんとか、そういう偉大な名前が出るとびっくりしちゃう」と目を剥き、「予選通っただけでも万々歳です。ベスト10なら今の若手の中では優勝みたいなもの。大満足が、大々満足になるよう頑張ります」と、笑った。

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