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三菱自動車トーナメント 1999
2位の尾崎将司と佐野木キャデイのはなし
「最大の敗因は、きょう、いつもとドライバーを替えたこと。練習場ではよく打てるんだけど、試合となるとやっぱり違うね。
本来より球の捕まりが悪くて、アドレスのとき、右にはずれるような気持ちが出てきて、今度は手を使ってしまって左ばっかり(に飛んでいく)。
その後遺症が10番ホールまで抜けなかったよ。
8番(ボギー)でもそれが出たね。
それで後半からはドライバーを使わなかったんだ。このまま使ってると、スイング全体が悪くなってしまうからね。新しもの好きは、罰をくらうってことだね。
智春は11オーバー? オレのゴルフと何が違うって? そんなの(今回、智春のキャディを務めた)佐野木(計至、ジャンボのエースキャディ)に聞けよ。
あいつに聞けば、一番わかるよ」
★ 佐野木計至のはなし
「ジャンボと智春のゴルフの違い? ジャンボは、ゴルフに対する情熱とひたむきが尋常じゃない。智春は甘いわ。
プライベートコンペでまわってるみたいな雰囲気が抜けてない。
プロというのはスキ見てライバルを引っ張り下ろしてやろうともくろんでるヤツらばっかりなのに、あれじゃ勝負に勝てない。
他のプロのショットがオーバーしたら『止まれ!』とか、叫んでる。やさしいから気を遣ってるんだろうけど、そんなの、プロは同情されるっていうことが一番ヤなわけだから。智春に同情されても、うれしくなんかないだろう。
もっと真剣に、それこそ、痛くなるくらいの中で戦わないかん。出場できただけで喜んでるようじゃ毎日、厳しい世界で戦ってるプロと対等に戦えるわけないよ。
あいつはいいもの持ってる。それは認めるけど、じゃあ、ジャンボや直道にたいに、優勝争いの最終日にそれができるのかっていったら、疑問だよね。
もっと真剣に、1000発も2000発も球打って、ゴルフが仕上がってから試合に出るべきだ。これじゃ推薦してもらっても、意味がない。
せっかくチャンスをもらっているのだから。
尾崎家の血が確かに流れてるんだから。恥ずかしいことはしちゃいけない。ミスしたら、ジャンボやジェットは本当に恐ろしいほど悔しがるだろう。智春にはそれがない。プロなんだから、人のミスを笑えるくらい、貪欲にならんといかん。プロは金の取りあいっこの、厳しい世界なんだからね」