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ジーン・サラゼン ジュンクラシック 1999

トップ45歳の飯合肇と28歳の宮瀬博文が一騎打ち。18番ホールでのプレーオフに突入

 プレーオフに使用されたのは、485ヤードの18番ミドルホール。距離が長い上に、フェアウェー第2打地点とグリーン周辺を、池とバンカーが取り囲む。最終日にバーディを奪った選手は、杉本周作ひとりだけという超難関ホールだ。
 通算11アンダーであがった飯合肇と、宮瀬博文は、この18番でプレーオフに挑んだ。

 先にティショットを打った宮瀬が、このホールの罠にはまった。
 ドライバーで打った第1打は、無情にもコース右手に広がる池に沈む。
 対する飯合は、がっちりフェアウェーをキープした。

「アドバンテージを握った、と思った」(飯合)。

しかし、宮瀬はねばりを見せた。
打ちなおしの第3打目。残りピンまで230ヤード、2番アイアンでの球は、ピン手前4メートルに。パーセーブも可能な距離につけて、飯合にくい下がる。

「あのショットは、自分でも快心でした。『オレって、けっこうやるじゃないかよ』って思っちゃったくらい」(宮瀬)。

 宮瀬の第3打を見てから打った、飯合の第2打は、ピン奥6メートル。

宮瀬博文 「宮瀬が池に入れてくれたから、気持ちは楽にはなったけど、でも、このホールがバーディで決まるはずはないと思っていたから、何回でもパーを重ねていこうという気持ちだったんだ。簡単には決まらないと思って2打目を打ったよ。
 本戦のほうの18番の第2打は6番アイアンで打ったんだけど、プレーオフのときは5番。どちらも得意のフック目の球で、うまく打てたね。距離は200ヤードくらいかな。ほんとうに、しっかり打てたね」(飯合)。

先に飯合がバーディパットにトライ。だが、これをはずして、パーとしてホールアウトした。

宮瀬が、4メートルのパーパットを入れればプレーオフ2ホール目に突入だ。はずせば、飯合の勝ち。

「あのパットはしょうがない、上体が動いちゃってましたからね」(宮瀬)

宮瀬のパットはカップをわずか20センチ、はずれた。
45歳の飯合が、28歳の宮瀬を下して、98年の東建コーポレーション以来、1年半ぶりの優勝を決めた。

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