Tournament article
ファンケル沖縄オープン 1999
手嶋多一、優勝インタビュー
でもすぐに14番で奥田さんが14番、15番を取って、2打差ついたときは、「もうだめだろう」と思っていました。
18番は、イーグルにしなくいちゃ、とドライバーを持ったんですが、キャディが、『ダメだ。まだ奥田さんも17番を残しているから刻め』ときかないんで結局アイアン(1I)で打ちました。今週はこのホール、4日間ともキャディに止められて、ティショットはアイアンです。でも結果的にこのホールでバーディが取れて、勝てたわけですから…よかったんですけど、でもアイアンで打ちながら、見ているファンの人には『手嶋は(狙わないで)セコイやつだな〜』って言われているんじゃないかなって、嫌だったんですけどね(笑)。
本戦の18番の最後のバーディパットは4メートルくらい。『フックライン』と思って打ったのが、ちょっとひっかかってスライスラインになって入った。プレーオフのバーディパットは、2メートルくらいでした。
プレーオフの奥田さんのバーディパット(1メートル)が絶対に入ると思ったんですけど…。もう、奥田さんの勝ちだと思っていたし、こんなふうになるとは思っていなかった。
これまでずっと2位や3位が続いていたんで、『やっと勝てた〜』という感じですね。
これまで何度の優勝争いに絡んでいても、意識しだすとすぐビビってドキドキして、ダメになっていました。プレッシャーのかかる場面では、1ショット1ショット集中して、回りのことは気にしないで自分のゴルフをしようと心がけているにもかかわらず、相手がバーディを取ったら、自分も取らなくちゃとか、気にしてみたり…。でもきょうはシンプルなゴルフができた気がします。自然に手が動いて、普通にプレーをしたという感じ。それに、チャンスパットがよく入ってくれました。
試行錯誤しながらようやくここまで来れたという感じ。勝つときって、自分の知らないうちに勝てるものかなって思っていたけど、初優勝してみて思うことは、やはり、勝つということは、すごいプレッシャーを感じながらじゃないと、勝てないんですね。
ファンの方に、『泣かないの?』といわれましたが、…なんかまだよくわからなくて(笑)嬉しいんですが、実感があまりないんです。
やっと勝てたのに、これで今年は最終戦なのが残念ですが、来年からはもっともっと優勝争いに絡み、常に上位にいる選手になれるようがんばりたいと思っています」