Tournament article
フジサンケイクラシック 1999
鈴木規夫ディレクターが語る「大会のみどころ」
勝敗のカギを握っているのは、シーサイド特有の強烈な海風といえます。
昨年の予選第1日目は、最大瞬間風速25.5メートルの、実に台風並の突風が、選手らを悩ませたものです。いかにこの風を、4日間、敏感に読み取り、そして勇気を持って立ち向かえるかが試されます。
また川奈特有の芝も、やっかいなしろもの。前週のクラウンズでは、グリーンやフェアウェーの難しさに、選手らから思わず悲鳴があがったものですが、今週の川奈には、根の強い野芝のフェアウェー、グリーンは読みづらい高麗芝と、先週とはまた違ったショット、パットのテクニックが要求されます。
毎年の傾向としては、残り4ホールまでにいくつスコアを伸ばしてこれるか。というのも、15番以降のホールは、まさに川奈の難所を凝縮したようなレイアウトが続くからです。
15番(パー4)は右ドッグレッグ。第1打は右コーナーのバンカー横に置きたいところ。左は深いラフと、さらにOBも迫っています。グリーン左と奥は崖。オーバーは地獄が待ち、トリプルも覚悟しなければならないでしょう。
16番(パー5)。豪快なうち下ろしホールで、左には海が広がります。第1打のポジショニングによっては、イーグルチャンスもありえますが、1歩間違うと、チャンスは海に消える結果となります。かといって右に逃げすぎるとグリーンが狙えずパーのチャンスも危うくなる、判断力と度胸が試されるホールです。
17番ショートはこれはもう、ジャンボ尾崎選手が91年に、ここで手前からチップインバーディを決め、8打差をひっくりかえして優勝したときの光景が、即座に私の脳裏には広がりますが、ここもまあ、本当に難ホールです。
見事な打ち上げホールで、しっかり距離を合わせて乗せこれなければ、ボールはころころ急な斜面を転がり落ち、難しいアプローチにチャレンジするはめになります。
実際にみていただければ、尾崎選手がいかに、離れ業をやってみせたかが、おわかりいただけるでしょう。
というわけで、フジサンケイは、この3ホールで勝負をつけようとしても、そうは問屋がおろしません。14番までの攻めのゴルフ、それが1番の課題となるはず。
選手らの早めの仕掛け、最終局面でのワザの冴えなど、堪能していただけるとよいでしょう」