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東建コーポレーションカップ 2000

「今年はスコア第一です。最後に勝てるようなスコアを意識してがんばります」

 朝から降りしきる雨で、コースの距離がいつもより倍以上も長く感じられる。芝が水をたっぷり水を含み、ボールにランが出ないからだ。
 「(第2打、3打で)これまで持ったことのないような長い番手を握らなくちゃいけない。昨日までのグリーンの固さと速さでいったら『こんな長いので打ったら、いったいどこまで転がっちゃうだろう』というくらいのクラブで打たなくちゃいけないもんだから、前半は、どうしても無意識にインパクトがゆるんでしまった」と、桑原克典。

 7番、8番、11番でボギーをたたき、次第に後退していく。

 しかし、12番ホールにきて、「違うな」と、気付いた。「雨でグリーンは重くなって、止まるんだから、ショットもパットも、思いきり振りきっちゃえばいい、って思ったら、リズムがよくなってきました」

 14番パー4でピンまで2メートル半に乗せてそれを沈めると、それまでの沈滞ムードが一転した。

 16番では、15メートルもの長いバーディパットにトライ。これも沈めて迎えた18番パー5。残り250ヤードの第2打は、「フェアウェーサンドで打ってちょうどの98ヤードくらいの得意な距離」を残して、ピンまで1メートルに乗せ、バーディフィニッシュ。

 「14番(ホール)からこんなにあがってこれるとは思ってなかったです。最後が大きかったですね〜」。終盤の3つのバーディで首位にカンバックしてきた。

 今季から、意識改革をはかった。毎年、開幕戦ではショットにこだわるあまり、スコアメイクがおろそかになる傾向があった。

「悪いショットが出て来たりミスをしだすと、僕はスコアうんんぬんより、いいショットをすることばかりに頭がいって、痛い思いをいっぱいしてきたんです。でも、トーナメントでは、たとえショットの内容が悪くてもそういうところをひっくるめて、スコアが良ければ結果が出せるわけですからね。今年は、ひたすらスコアにこだわって、最後には勝てるよう頑張りたいと思う」。桑原が、最終日にむけ勝負師の顔になった。

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