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〜全英への道〜ミズノオープン 2000
『大会みどころ』
先週までのランキングでは、佐藤信人、宮瀬博文、片山晋呉、水巻善典の4選手がランク4位につけていますが、確実に出場権を得ているのはまだ、首位の佐藤信人選手だけ。5位の佐々木久行選手、6位の桧垣繁正選手らにも今週の成績いかんでは、チャンスが残されていますから、2位以下3人はまだまだ予断を許さない状況です。
もちろん、この“最終戦”で優勝してしまえば、無条件で出場権を得られるわけですから、そういう意味では、会場にいる選手すべてにチャンスがある。今週のみどころは、なんといっても全英切符を手に入れようと、がむしゃらに戦う選手たちの戦いぶり。まず、ここに注目していただきたいとおもいます。
コースの特徴は、もうお馴染みかとおもいますが、瀬戸内海にほどちかいリンクスコース。フェアウェーの周囲は、深いラフ…というより、スコットランドのリンクスコースに生育する『ヒース』とも言えそうな、自然に生えた丈高い草に覆われ、荒涼とした雰囲気を醸しています。場所によっては、ヒザ上まで埋まってしまうようなラフが生茂っているところもあるほどです。
言うまでもなくこのヒースに打ちこめば、脱出はそう容易ではありません。ひとまずフェアウェーに出すだけ、という状況も出てくるでしょう。無理をすると、スコアにひびくだけでなく、ひょっとしたら手首や腰を痛めることになるかもしれません。また、ロストボールに泣く選手もたくさん出てくるかもしれません。
水曜日のプロアマ戦でも、出場されたアマチュアの方々がこのラフに苦戦し、ロストボールがたくさん出たようです。
このため本戦で、ツアープレーヤーたちがなるべく誤球などしないように、との配慮から、プロアマ戦終了後にコース管理の方々がロストボールの回収にまわってくださったほど。例年のことですから選手たちもわかっていて、ボールに識別番号をつけるなど、誤球などの心配はほとんどない、とは思いますが、万一ということもあります。それくらい深いラフが生えていることを頭に入れていただき、ご観戦いただければ興味も増すかとおもいます。
今週のコースマネジメントはとにかく『フェアウェーキープ』。選手たちのコメントにもそのような言葉がひんぱんに出てくるとおもいます。深いラフを前にして、選手たちがどんな対処をしてくるのか。この点にもぜひ、ご注目していただきたいと思います。
遠藤誠・JGTO競技運営ディレクター
★ 遠藤誠プロフィール 1966年11月25日生まれの34歳。昨年1年間、日本ゴルフツアー機構の競技委員を務め、今年から同機構の競技運営ディレクターに就任した。
ゴルフとの出会いは小学校3年のとき。インストラクターとして活躍しながら、ツアープレーヤーを目指していたが断念。JGTOが急募していた競技委員に志願した。現在は、「ディレクターとして常にツアー全体を見渡し、ゴルフ界がもっともっと盛り上がっていくよう力を尽くしたい」と、ディレクター業務に燃えている。