Tournament article

アイフルカップ 2000

静かにアイドリングをかけた状態で、チャンスが来たらそれを全開にふかすんです

昨年はケガに泣いた湯原信光が「ようやく戦える状態になってきた」と絶好の位置で最終日を迎える。

 日本ジュニア、日本アマなど、アマ時代の輝かしいタイトルをひっさげて、80年にツアーデビューするや、すぐに2勝。「あのころはなにがなんでも勝ってみせる、と思っていた。血気盛んなころだった」と、湯原信光は振り返る。
 あれから20年。膝、ヒジなど故障に泣かされ、昨年春には、椎間板ヘルニアで3ヶ月間寝たきりの生活も経験。懸命のリハビリで「ようやく戦える状況」まで回復させてきた。
 数々の苦難を乗り越えた今、湯原は「目先のことにとらわれくなった。飛距離よりは、コントロール重視。高い球、低い球、右、左…うまく打ち分けることにこだわっている」と語る。
 今のゴルフの調子は「70%くらい」。だが、「必ずしも100%でプレーした人間が、勝てるわけではない。パーセンテージと、勝負とは別もの」と、昨年の日本オープン以来のV争いを前に、冷静に戦局を読む。
 「ゴルフの状態がよくなってきたことだけでも嬉しいのに、(優勝争いという)おまけもついてきたわけでしょう。楽しみだよね。明日は、常にアイドリングをかけた状態で静かに様子をうかがって、チャンスが来たら全開にふかす…豊富な経験を生かした戦い方をしたいね」
 湯原の目が、キラリと光った。

    関連記事