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東海クラシック 2000
“逆転男”そして“ストップ・ザ・谷口”、宮瀬博文
5月に勝った三菱自動車トーナメントは、首位と5打差のスタートから追い上げ、プレーオフに持ちこんだ。
このときの、プレーオフの相手は谷口徹。宮瀬は、その2ホール目に劇的イーグルを奪って谷口を下している。
この日の最終日は、首位の谷口と通算6アンダーの6打差からのスタート。
「今日はとにかくトップ5入り」と決めていた宮瀬は、まず2番でピン奥2メートル、3番で手前5メートルを沈めて連続バーディを奪い、波に乗った。
7番、9番でもバーディを決めて、前半だけで4バーディ。首位を走る谷口との差を2つに縮めて折り返し、「10番で、『ヨシ!』と思ったら、ティショットを右にパシャ〜ン!!(笑)」
意識した途端に、右ラフに打ちこみボギーをたたいたが、集中力は途切れず。13番、 14番でも連続バーディを奪って通算11アンダー。谷口の背をがっちり捕らえた。
勝利の要となったのは、16番パー3だ。
グリーン左にガケ、右にはバンカー。プレッシャーのかかる、難易度1位のホールで宮瀬は最高のショットを放つ。
「左は絶対にダメ、ミスしても、左バンカー。風は右から若干フォローめ。とにかく安全に行こうと思った。
5番アイアンで打った球は右からバンカー(上空)からドローに入って、ピン手前1.5 メートル。最高のショットだった。あのバーディが本当に、大きかった」
対する谷口は、同じく16番で左ガケ下に落としてボギー。逆転だ。
通算12アンダー、1打差の首位で先にホールアウトし、谷口を待つ宮瀬(=写真右)。
谷口が18番グリーンにあがってきた。
パーパットは、奥9メートル。
池にむかって打つ、谷口の下りのファーストパットがカップを1メートルオーバーすると、宮瀬は思わず、最後まで一緒に結果を見守ってくれた先輩の横山明仁とがっちり握手(=写真左)。
「今日は谷口さんがもっと伸ばすと思っていた。だから僕はなんとかアンダーパーでまわりたいとは思っていたけど、まさか勝てるなんて。
結果的に追いついて勝てたけど、相手が谷口さんていうことはまったく意識していなかった。
2回連続して勝った相手が、たまたま、谷口さんというだけです」と宮瀬。
三菱自動車トーナメントでの今季の最多差・逆転優勝記録を1打更新。
そして、今季絶好調の谷口の、2試合連続優勝という夢も、何食わぬ笑顔で阻止してしまった。