賞金王争いの主役たちが揃って、ジワリ浮上

　もうひとつの主役たちが、ジワリと浮上してきた。
　“賞金王”争いの中に渦中にいる谷口（ランク1位）、佐藤（同2位）、伊沢（同3 位）だ。

　ランクトップの谷口はこの日、ショットが不調で、球は右へ左へ。
　2番パー4のなどは、ティショットを大きく引っ掛けあわやOB。第2打は運良く前が開けてライも良かったが、そのショットも左バンカーに入れ、必死のパーセーブだった。
　苦しみながらもノーボギーの66は、「僕のフェニックスでのベストスコア。曲げてもスコアを作ることが大事なんです。こういう日を乗りきれば、明日からまた前むきにゴルフができる。…僕も成長したね（笑）」
　スペインの世界選手権で日本ツアーを留守にしていた賞金ランク2位の佐藤と、入れ替わりに谷口は、来週から米ツアーQスクールのため渡米する。
　「佐藤君がいない週、一緒に戦えないのでとても寂しかった。でも、来週から僕がいなくなるから、今度は佐藤君が寂しい思いをする番だね」と、ライバル”のことが気になって仕方ないようす。

　一方、谷口のひとつあとの組でホールアウトしてきた佐藤は、この谷口のコメントを伝え聞くと、「…う〜ん、でも僕は谷口さんのことはまったく意識していません。… 完全に谷口さんの片思い、かわいそうに…（笑）」と相変わらず、飄々とかわした。
　この日は、得意のパットこそ決まらなかったが、「まずまず」というアイアンショットでスコアを組み立てて68。通算3アンダーで、谷口と2打差の17位タイにつけた佐藤。
　「ただ、今日のショットは、今、抱えている課題を一生懸命やらないと、球がどっか行きそうな感じもある。もうちょっと薄い意識（それほど意識せず）でショットできるようになればもうちょっと楽なんですけど」と話すと、すぐに練習場に向かった。

　ランク3位の伊沢は、今週に入って風邪をひき、3日連続で2時間半にわたる点滴を受けている。体調不良にもかかわらず、この日は70でまわって通算4アンダー、13位タイ。
　「でも、ここからがなかなか伸びないんですよね。明日終わって3つなら、まあなんとか…。明日は５つくらいはいかないとダメですね」と、コメントした。

　思惑は三者三様。しかし、目指すものはたったひとつだ。

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• 佐藤 信人