Tournament article
JGTO TPC イーヤマカップ 2000
ウィニングパットは、第3ラウンドの3メートルのパーパット
第3ラウンドの18番、445ヤードのパー4。
伊沢利光は、ティショットを左サイドの深いラフの、しかも小山と小山の間のくぼみに打ちこんだ。
普通ならレイアップするようなライで、伊沢は果敢にピンを狙ってきた。
惜しくも球はグリーン奥にこぼれ、パーパットはピン右横3メートル。
「ショットは問題なかったけど、2日目以降から芝目がよくわからなくなっていたので、心配はそれだけだった」と伊沢。ちょうど、同じ距離とラインを残していた横尾要のパーパットを参考にして、パーセーブした。
この日は6時30分に、第3ラウンドの残りホール、10番のティショットからプレーを再開。4時に起床した伊沢は、「なんだか朝から、とても体が軽かった」という。
「今日の朝は、昨日のゴルフの余韻が残ってたみたい。普通はゴルフまで12時間以上はあくじゃないですか。でも今回、前の日は6時30分くらいまで(18時33分にサスペンデッドが決定)ゴルフをしていて、昨日、寝たのは10時半。あいだにひと眠りしたとはいえ、12時間もあかないうちに、またすぐ6時半からゴルフでしょう。なんかまだ昨日の続きやってるんかなっていう感じで、すごく体が軽く感じたんですよ。朝の練習でサンドウェッジから打つときにも、いつもより体の動きがいいなあ…って。
今日は起床は4時。ほんとはあと10分くらい寝れたんですけど、あと10分、寝ようって思うと寝れないですね。なんでもない10分は寝れるんですけど、『ちょっとしか寝てないし、あと10分寝なくちゃ』って思うと寝れない(笑)。目が覚めちゃって。予定より10分ほど早く起きちゃったんですよね」
2ホール目の11番、グリーンが浮島になった380ヤードパー4では、第2打をグリーンの枕木に当てて池ポチャ。
しかし、「ショットがいいんだから、またバーディが取れるはず」と焦らず、打ちなおしの第4打はピン左1メートル。これを沈めてボギーにとどめた。
「11番はですね、ちょっとがっついちゃって(笑)。第2打は残り155ヤードくらい。PSでは届かないし、ピッチングで、強めに入ったらグリーンの段の上に行っちゃう、中途半間な距離だった。でも、まだ3日目(=第3ラウンド)だし、段の上に乗せるようなショットを打つ必要はないかなと思いましてね。最終日の午後に入ってて、あのピンの位置ならばそうもいかないでしょうけど、今日の展開を考えればどんどんバーディを取って行かなくちゃって感じでしたからね。もしダボでも、ショットの調子はいいんだから、またどこかしらでバーディは取れるでしょう、というような気持ちでは行けたんですね」
第3ラウンドは、通算13アンダー単独首位でホールアウト。昼からの最終ラウンドのスタートを待ったが、その前に、競技中止が決まり、結局、それが優勝スコアとなった。
「初代チャンピオン、光栄ですね。どんな形でも勝ちは勝ち。この位置にいなければ、優勝はなかったわけですから」と、伊沢は、突然降って沸いたツアープレーヤーNO.1の座に酔いしれていた。