Tournament article
つるやオープン 2000
「体もビジェイにしたいんだけど…」佐藤信人
佐藤信人の話し
「今日は雨がずっと降ってはいましたが、気になるほどではなかったし、風もなかったので、コンディション的にはいい感じでしたが、ショットが今シーズン最悪っていうくらいひどいんです。特にティショット。前半は、全部右の林に入るっていうくらい、ひどい曲がり方で、でも運が良くてたまたま打てるところに落ちていて、アイアンショットでうまく出して、ワンパットパーという感じが続きました。最大のピンチは、14番。これも右はやしに打ちこんで、ピッチングウェッジでいったん出して、残り115ヤードをまたピッチングで打って、2メートルに乗せ、これを入れてなんとかパーにしました。もう、ショットははじめから悪いとわかっているから、高望みしなかったのがよかったのかもしれません。
昨シーズン(賞金ランク41位)は、夏場まではよかったんですけど、新潟オープンの後、3週間の夏休みの間に、コーチの井上透君と本格的にスイング改造に取り組みはじめたら、スイングのことに気を取られて、スコアに執着できなくなってしまったんです。練習場では、課題をクリアしてうまく打てるのに、試合ではうまく打てず、そこそこ良くても最終日に崩れたり。
これではいけない、と今年のオフに行った3回の合宿は、研修生や他のプロと一緒にトーナメント方式をとって、ラウンドをしたんです。そうしたら、スイング改造のことも念頭におきつつ、より少ないスコアであがるということも考えながらラウンドができるようになったみたい。
僕は、トップスイングでレードオフが強すぎる傾向があるんです。というのはつまり、トップで手首を締め過ぎて、ラインよりヘッドが外側に倒れた状態で、そのままダウンスイングに入るので、ヘッドがうまく前に出ず、プッシュアウトやチーピンが出やすい。この部分を今、修正中なんですが、まだまだ、全然出来ていませんね。
仙台(クラシック、97年)で勝ったときも、ブリヂストン(オープン、98年)で勝ったときも『自分がまさか勝るわけない』と思いながら勝ちました。逆に、最終日に崩れたのは、たいてい『優勝は俺だ』と入れこんだとき。明日この位置で、意識するのは当然のことだと思いますが、それはしょうがない。がっついてもしょうがない、なるようになるよな、という気持ちで今やるべきことを頑張れば、結果につながるとは思う。
・・・そういえば、今年のマスターズ・チャンピオンのビジェイ・シンは、僕と同じドライバー(ミズノプロ300S)で勝ったんですよね…。僕とクラブは同じだけど、それを持つ『腕』は違う。体の中だけ、ビジェイになれればいいなって思いますけどね(笑)。