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ダイヤモンドカップトーナメント 2001
「負けたのは悔しいけれど・・・」
大ギャラリーの中で、生まれて初めて迎えた最終日・最終組。
前半こそショットがぶれて、ピンチの連続もあったが、8番からは5バーディで、懸命に食い下がる。
もっとも当の五十嵐は、そんな自分の快進撃にも気がつかないほど、目の前の1打に集中していた。
「優勝とかは考えてなかった。ただ、ゴルフをやっていただけで・・・。
だから自分のスコアにも全然、気が付かなかったんです」
自宅が、会場から1時間の茨城県・大宮市。
会場の大洗に慣れ親しんでいた地の利に加え、駆けつけた大応援団も後押しする。
五十嵐の1打1打に、気合のこもった声援も飛び、ますます、集中力は増していく。
首位の藤田と1打差で迎えた18番。
左から、6メートルのバーディパットを決めて、藤田、伊沢とのプレーオフに持ち込んだ。
その1ホール目は左ガケ下からのアプローチで「さすがに手が震えた」と、グリーンを捉えられずに敗れたが、それでも、五十嵐の表情は、充実感に輝いていた。
「負けたことは悔しい。でも、プレーオフまで残れたことは、本当に嬉しかった」
大会が独自に行っている予戦会『マンデートーナメント』から勝ちあがってきた五十嵐の健闘には、観客席からも惜しみない、大きな拍手が贈られた。