Tournament article
〜全英への道〜 ミズノオープン 2001
「勝つことが、責任を果たすこと」鈴木亨
今週、会場で出会う人は皆、“なんと言って声をかけたらいいのかわからない・・・”という顔で、自分を見てきたからだ。
「そんな相手の思いやりが伝わってくるから、こっちも、余計につらくなっちゃったりしてね・・・」と、鈴木亨は顔をしかめた。
先週の大会、プレーオフ1ホール目に2発のOBを打って敗退。あっけなく、福澤義光に初Vを譲り渡した。
あの後遺症が、まったくないといったら嘘になる。
確かに、ゲーム直後は、それほどの悔しさを感じなかったが、時間がたつにつれ、「もったいないことをした」という思いは、こみ上げてきた。
「さすがに、最終日の夜は眠れなかった」
翌日の、大会関連の記事は、読む気にもなれなかった。
自宅では、京子夫人が、先週のテレビ中継を録画してくれているそうだが、しばらくは見直す気もない。先週のショックは今もまだ残っているのだ。
だが、落ち込んでばかりもいられない。
今大会、鈴木は主催・ミズノのホスト選手でもある。
「この大会で勝つことこそ、ミズノへの恩返しであると同時に、僕にとっては、選手としての責任を果たすことでもある。・・・先週のことは、長いゴルフ人生、よくあることと割り切りたい。そうでないと、次のステップに進めないから・・・」
今週、鈴木は、懸命に痛みを乗り越えながらの戦いとなる。