Tournament article
ダイドードリンコ静岡オープン 2001
「さあ、行きますよぉ、みなさん!!」
ノーボギーの66で、ベストスアコをマークした鈴木亨が、「開幕6ラウンド目にして、やっとこの充実感を、形にできたよ」と、顔をくしゃくしゃにさせて笑った。
39位に終わった第1戦の東建コーポレーション。
「もうね、自分の中では、最高潮ってくらい、ゴルフはいい感じなんだけどねぇ…」と、体で感じている好調さをそのままスコアに生かせないもどかしさを感じていただけに、この好スコアに思わず、笑顔がこぼれた。
鈴木が、開幕2戦目にして、例年にない仕上りの良さを見せているのは、「このオフ、芝の上から打てる練習が、いつも以上にできたから」だ。
鈴木は、4年前に、よりよい練習環境を求めて千葉県の季美の森ゴルフ場に隣接する土地に新居を建てている。
一歩、足を踏み出せば、コース。これだけでも贅沢な限りなのに、昨年春には、なんとコースから「鈴木さん用に」と、あるホールのバックティを提供された。
「それとあと、練習グリーンも、“鈴木さんしか打てないスペース”とロープを張って、常にトーナメントの平均スピードの11フィートくらいにメンテナンスしてくださっている。バックティもいつもきれいに整備されていて…今年のオフは毎日、ひとホール自由に使い、好き放題に球を打つことができたんです。オフの間、コースで球を打てた時間は、昨年のオフとは比べ物にならないほど。ほんとうにありがたかったですね」
このオフは、コース営業時間に、“ツアー仕様”の練習グリーンでパットとアプローチ。営業終了後、日没まで、鈴木専用のコースで打ちこみ。
「あとは、家でトレーニング。…労働基準法の“1日8時間”は、とっくにオーバーしてたかな(笑)」
おかげで、開幕戦で感じる「なんでこんなショットが出るの?というようなハプニングが出る予感が、まったくしない」と言いきる。
オフ明けの充実感をスコアにつなげ、首位と4打差の通算5アンダー、9位タイに浮上。
「今は『さあ、鈴木は行きますよぉ、みなさ〜ん!!』…って心境かな」と、さらなる大爆発を狙っている。