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ダンロップフェニックス 2001

▼ 最終日、トピックス 「やっぱり彼はトップランカー」

手嶋多一は、途中まであった7打差を追い上げ、デュバルとのプレーオフに持ち込んだが・・・

 通算15アンダーで、手嶋が最終18番のグリーンに上がってきた瞬間、満員の観衆から、大きなどよめきが起こった。
 グリーン左に設置されたスコアボード。通算17アンダーで、首位を走っていたはずのデュバルが、手嶋と同じスコアで並んだのだ。
 「このときは、(体が)熱くなりましたね」(手嶋)。
 ハーフターンを過ぎた頃は、差が7つもあり「2位でいい」と手嶋は、完全に諦めていた。デュバルが崩れるとは、思いもよらなかったからだ。
 それが、手嶋が12番、そして14番からの3連続バーディを奪い、デュバルが14番をボギーとしたことで一挙に差が縮まった。

 「2打差までいったときは、もし僕が17番で取ればおもしろい展開になる、とは思ったけど取れなかったし、やっぱり、もうだめかと思ってたんですけどね」

 だが、前組でまわるデュバルが、17番でまさかの4パット。最終18番も、左のバンカーに打ち込んでパーに終わったことで、「さすがに、“ここまで来たらやっぱり勝ちたいという気持ちになりました」と、プレーオフホールの18番に挑んだが、デュバルの一つ前の組でホールアウトしていた手嶋の体は、デュバルのプレーを待つ間に、すっかり冷え切っていた。ティショットは、フェアウェー右の松の木の根元に。セカンドで、グリーン方向が狙えない。

デュバルが、右バンカーからの第3打を、OK距離につけて先にバーディであがった。
 手嶋の、右バンカーからの第4打目は、直接、放りこむしかなくなった。

 破れた手嶋は、「我ながら、よく追い上げたと思う。でも・・・」とポツリ。「ここまで追いつけたことへの満足感と、負けた悔しさは半々ですね・・・」。
 在籍は重なっていないとはいえ、米・ジョージア工科大の後輩にあたるデュバルについて、「やっぱり、彼はトップランカー」と評価して、敗者のインタビューを締めくくった。

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