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〜全英への道〜 ミズノオープン 2002
「僕は耐えしのぐのが、得意だから」
この日、大会主催のミズノ勢でトップに残ったのは、昨年の日本オープン優勝の資格で、すでに全英への出場を決めている手嶋多一だった。
我慢比べが、得意だ。
その日本オープンでも、難コンディションで周囲が伸び悩む中、耐えに耐え抜き、栄冠を手にした。
「今日も、この強い風の中、ちゃっかり残ってるでしょ(苦笑)。こういうときに、スルスルっと抜けちゃうのが、僕の手なんです」
冗談まじりに話したが、風対策は、抜かりない。
コースのほぼ中央に位置する、テレビ中継用のバルーンカメラ。どのホールからも見渡せる、この大きな目印を頼りに、風の方向を完全把握。
スイングは、「風の中だと、どうしても打ち急いでミスをしやすいから」と、ゆったりとしたリズムを心がけ、インパクトでは「ターフを取らず、ボールだけさらっていくイメージ」を貫いて、この日イーブンパー。
「“本場”に似た風の中、なんとかうまくしのげましたね」と、納得顔の手嶋。
主催のミズノ所属のホストプレーヤーとして、最終日は、「気合いを入れていく」と誓っていた。