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サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2002

「鬼のいぬ間に、優勝したい」現在、賞金ランクトップの佐藤信人

今季メジャー第3戦が、終わったばかりで、シードの上位選手が、出ていない。
 「“鬼”のいぬ間に、優勝したいものです」と、冗談まじりに話す佐藤信人も、実は 今大会出場は、3年ぶりだ。
 全英オープンの日程と重なって、しばらくご無沙汰だったが「アマチュア時代から、スケジュールが合いさえすればこの大会には、必ずエントリーしてきたんですよ」と打ちあける。 いまでも大切にしている、思い出の大会だ。
 佐藤がまだ、米国留学中のアマチュア時代。
 一時帰国して、挑戦した後援競技の『NGAオープン』。上位者には、今大会への出場権が与えられることになっていた。そこでアマチュア順位トップで権利を勝ち取り、初めて出場したレギュラーツアーが、このNST新潟オープンだった。
 その91年大会。
 チャンピオンは、通算10アンダーを出した横山明仁だった。
 ツアーならではの高速グリーン、シビアなセッティングにも、平気な顔をして大量アンダーを出す、ツアー選手たちを目の当たりにした。
 佐藤は、通算5オーバーの46位タイで、ベストアマチュア賞を獲得した。
 「いろんな意味で、すごく、良い経験をさせてもらったし、非常に刺激を受けたんです」
 以来、ツアーデビュー後も、スケジュールが合いさえすれば、必ず、この大会にはエントリーしてきた。
 年々、地元の応援者も増えて、佐藤にとって今では、大事なトーナメントのひとつだ。
 今年は、全英オープンの日本予選にもれて、残念ながら出場権を逃したことで、99年以来、3年ぶりの新潟登場となった。
 「出るからには、ぜひ優勝したいものです。…“鬼”のいぬ間にね(笑)」

 先週は、毎日徹夜のテレビ観戦。丸山茂樹の活躍を見守った。
 特に大会3日目は、世界のトップ選手さえ、「こんな悪天候は経験したことがない」と言ってスコアを崩す中、それでも上位に踏みとどまった丸山の粘りには、大いに感動したという。
 「これまでの丸のプレースタイルが、明らかに変った、と感じた。メジャーの舞台で、あんなに我慢のゴルフができるのって、ほんとうに素晴らしい、と思いました」

 この日のプロアマ戦。フェーン現象に見舞われた新潟県内は、気温33℃を優に越える猛暑。ラウンド中には、地面から這い上がってくる熱気も加わって、体感気温は40℃を越えたが、「あの全英の天気を思うと、“暑い”なんて、弱音は言っていられない」と、自分をいましめる。
 本戦に入っても、なお連日の猛暑が予想されているが、「暑さにキレそうになる自分をいさめながら、丸スタイルで戦いぬきたい」と、ブラウン管を通して受けた刺激そのままに、今週の、新潟入りだ。
  • 佐藤はプロアマ終了後も、炎天下で、コーチの井上透さんと本番にむけての最終チェックに余念がない

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