Tournament article
サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2002
「暑いほうが僕は良くなる」
うだるような暑さにも、集中力は途切れない。
むしろ「僕は、暑いほうが、調子が上がる」
先月、推薦で出場したタマノイ酢よみうりオープンで2位に入って以来、好調が続いている丸山大輔が、この日最終日もベストスコアタイの66でまわって、3位タイ。これで、今季の稼ぎも1600万円を越えた。灼熱の新潟で、初シードをほぼ手中にした。
「そういえばあのときも、今週のようなひどい暑さでしたね…」
20002年の『台湾PGA』
プロ転向後、8年たっても芽が出ず、2部ツアーのチャレンジツアーを転戦する日々に、「このままでは、オレの人生、これで終わりかも…」転機のきっかけをつかみたくて、29歳のとき飛びこんだアジアンPGAツアー。
2位と6打差つける圧勝は「僕にとっての、ベストゲームだった」と振り返る。
さらに、このVをきっかけに、国内のツアー外競技2戦でも立て続けに勝ち、その年の獲得勝機は、2000万円を越えた。
それは、日本レギュラーツアーでいえば、賞金ランク50位クラスの、稼ぎだった。
「その気になれば、オレも、どこでだって食っていけるんだ」
この気持ちこそが、今の丸山の、飛躍の原点。
あのときの『台湾PGA』も、今週の新潟のような暑さだった。
「暑くなればなるほど、僕は強くなれるタイプ」と笑った丸山の表情に、ほのかな自信がにじみ出た。
昨年のファイナルQTランク9位の資格でツアーの出場権を得た今季、もし、また、シード権が取れなくても丸山は、再びアジアに戻って、戦うつもりでいた。
『台湾PGA』の優勝で得たアジアでの2年間のシード権は、まだ、残っているのだ。
「“日本でだめでも、オレには、まだアジアがある…”今年は、始めから、そんな気持ちでやっていた。そんな余裕が、この結果を生んでくれたのかもしれません」
術面でも精神面でも、ゆるぎない自信を、身につけつつある丸山。次の目標は、もちろん日本ツアーでの初優勝。勢いに乗って、この夏中に、実現してしまいたいところだが…。
写真 = 16番で丸山(=写真右)は、残り248ヤードの第2打を、ピンまで25ヤードのカラーにつけ、これを沈めてイーグル賞を獲得。同じく、16番でイーグルの金城和弘(=同左)と、賞金100万円(提供:コニカNC、金冠堂)を分け合った)。