Tournament article
ダイドードリンコ静岡オープン 2002
《 大会初日、トピックス 》「人の不幸を待つなんて…」
通算10アンダーで、先にホールアウトしたジャンボ。
速報モニターを見つめながら、
「16番で、ボギーを打ってくれれば、面白くなるんだがな…」思わずつぶやいた尾崎は、すぐさま、照れたように笑って、
「人の不幸を待つなんてな…(苦笑)。でも、それって、誰でも思ってることなんだ。けど、本心を隠して“ナイスショット”とか、言うんだよな。でもさ、俺はウソがつけないからさ…(笑)」
一昨年8月の、サンクロレラクラシック以来、1年と7ヶ月ぶりの優勝は、最終組の室田のプレー次第。
ブラウン管を食い入るように見つめながら、ジャンボが、この日のプレーを振り返る。
「(10アンダーにして迎えた)16番で、右に打つと林に行くから、と思って強めの球を打ってやろうという気持ちでいたけれど、手に力が入った…。
(16番、右林に打ち込んだ第2打は、フェアウェーに出し、手前からのアプローチは、あわやカップインでOKパー)あそこは、ナイスパーだ。
この風の中で、5アンダーは良いスコアだと思うが、それにしても(チャンスパットを)外しすぎているなあ。
…でもまあ、あれだけ外しすぎてこの位置にいられるのだから、まだまだ、俺にも可能性があるってことか。
しかしここの風は、やっぱり胃が痛くなる。ものすごく吹いたと思えば、急に止んだりするんだもんなあ…」
そして、「今日は最後のほう、苦しかったな」とポツリ。
やがて、画面の室田が、18番の第2打を、グリーン左のエッジまで運んだ。
それを見届けると、おもむろに席を立ち上がり、「まあ、俺はまだまだ、調整段階だから。もし、あそこから、室田が8パットくらいするようだったら、連絡をくれよ」と笑って、ジャンボは、10年ぶりの浜岡を去っていった。