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久光製薬KBCオーガスタ 2002

「目の前の1打に一生懸命なれば、結果はついてくる…それが僕のゴルフ」ディフェンディングチャンピオン平石武則

「そうやね、もう1年もたったんやね」
 プロアマ戦からあがってきた平石は、そう言って、遠い目で、コースを見渡した。
 昨年、桧垣、加瀬とのプレーオフを制して、ツアー19年ぶりの初優勝。勝負を決めた18番グリーンでは、41歳の男泣きをし、感動を呼んだ。
 照れ笑いで当時を思い出しながら平石は「ん〜、そうやねえ。勝ったからといって、その後も、僕のゴルフは別に大きく変ったわけじゃないんやけれど、周囲の人の目が変ったってことは、すごく、感じるよね」
 初シード入りを果たした今シーズンはこれまで、例年になく予選落ちの数が多く、「そのたびに、“調子が悪いの?”とか、心配されることも増えて…。やはり、1勝したことで、良い意味でも悪い意味でも、注目してくれる人が、多くなったってことやね」

 今季、これまで14戦中予選通過はわずかに4回だが「まあ、それも僕のゴルフやからね」と焦りはない。
 5月には、5試合連続で予選落ちの屈辱も味わったが、それでも、これまでの稼ぎ900万円強(賞金ランク53位)は、昨年の今ごろよりもずっと多いそうで、「効率よく、稼げているから心配はしていない。あとは、何かのきっかけで、パットが入るようになれば…」と、今週は、思い出のコースで、上昇のきっかけを伺う。
 「大会連覇…?(笑)そんな、自分の分を越えるような大それた目標はないよ」と、明るく笑って否定した平石。
 「何かを目指すというよりも、目の前の1打に一生懸命にやれば、自ずと結果はついてくる…。これまでもずっとそうしてきたし、それが僕のゴルフスタイルやから」
 と、本戦を控え、ディフェンディングチャンピオンに、気負いはない。

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