Tournament article
久光製薬KBCオーガスタ 2002
「“84”で精神的にボロボロに…」
悪夢の始まりは、今季の開幕戦。
東建コーポレーション初日に、いきなり84を打って目の前が、真っ暗になった。
ファイナルQTランク13位の資格で、デビュー以来、初めて、年頭の第1戦から出場できたというのに、それをきっかけに、「精神的に、ボロボロになってしまった」と、清水は、振り返る。
「そのときには気がつかなかったけど、気合いが、入りすぎていたんですよね…」
そのあとも、散々だった。
“84”のショックから逃れようと、いっそう、練習量を増やし、懸命にショットの立て直しに取り組んだが、すべてが裏目、裏目に。
スイングの細部を、いじくればいじくるほど、迷いも深まった。
5月には、7試合連続の予選落ち。
とうとう、開き直らざるを得なくなった状況で、清水は、ようやく気が付いた。
「今の俺は、練習のしすぎだ…」
清水の本来の練習方法は、打撃よりも、1.2キロの重いクラブでの素振りがメイン。それによって、自然と身体が正しいスイングプレーンを覚えてくれ、ショットが安定してくる。だから、スタート前の実際の球打ちは、15球も打てばよいほうだった。
それが、開幕時の“84”の焦りから、たとえば、午後の遅いスタートの日でも、午前組に混じって練習場に腰を据えたり、すっかり、自分のペースを見失い、「ますます、イメージが悪くなっていたんですね…」
従来のスタイルを取り戻した今は、開幕時の傷も癒えつつある。
精神的にも、落ち着きを取り戻して、この日初日は67をマーク。
前半戦のQTランクの組み直しで、失敗しているため今後の出場見込みがないだけに、「今週、なんとか5位内に入り、次の試合の資格を取りたい」と、目標設定も明確に、闘っている。