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サントリーオープン 2002

「僕に現状維持はありえない」

「完璧」なプレーの後も貪欲に、片山晋呉の壮大な夢

片山の気迫溢れるプレーに、みな、気圧されたようにスコアを伸ばせない。
5バーディ、ノーボギー。
他の追随をいっさい許さない、この日の片山の18ホール。
2番の1.5メートルのバーディも、3番の7メートルのバーディも、4番の30センチも、7番の4メートルも、
「すべて、完璧です」。
プレーを振り返った片山の口からは、「完璧」との言葉しか出てこなかった。
「誰にも、『あれならしょうがないな』と思わせることのできた今日のラウンド。見ていて、カッコ良かったでしょう?」と、誇らしげにそらせると、その胸は、さらにたくましく盛り上がった。

勝負服なのだという、大好きな黄色のポロシャツの上からでもはっきりと分かる筋肉。
これまでより3センチアップした胸囲は、98センチ。
海外ツアーで見たトップレベルたちに触発されて、3年前から続けている筋トレは確実に成果をあげて、この日も、深いラフから楽々とバーディチャンスにつなげて勝った。
ひと回り増した筋力に合わせて、前週、SからXへ硬度を上げたアイアンで、ピタピタと、ピンそばへ寄せてみせた。
目的にむかって、我を貫く強い精神力も、見せつけた。
「…でも、これでも世界で勝つには、まだまだなんですよ」と、片山はいう。
「パワー、技術、精神力。僕に、現状維持はありえない、もっともっと、上を目指してやっていかないと…」
すべては、メジャー制覇という壮大な夢のために。
片山は、これからも、走りつづける。

写真下=『サントリーオープンV2』のたすきは、連覇を願った主催者が、内緒で、用意しておいてくれた。18番の表彰式場に上がる前にかけてもらい、「すんごく、良い気分!」と片山。

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