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Philip Morris K.K.Championship 2002

「使い道に、迷ってしまうね!」

4000万円のビッグマネーをたずさえて、ブレンダン・ジョーンズは婚約者のもとへ

ハーフターンで、2位の伊沢とは5打差。
「伊沢さんは、これから、バーディをたくさん取っていかないといけない展開。僕のほうが断然有利」と読んだジョーンズは、これまでよりいっそうの安全策をとり、ホールを進んだ。
ティショットは、先週から使っている5Wをこの日も多用し、フェアウェーキープを心がけた。
グリーンを狙うショットは、「常にセンター狙いで」。
グリーン上は、3年前から使っているという長尺パターが、この日も好調だった。


不安材料は、何もなかった。
プレッシャーも、前日3日目ほど、感じなかった。
22時に床についても何度も目が覚め、眠れなかった前夜がウソのように、気持ちは落ち着き払っていた。
上がりホールで、ついに伊沢が2打差まで追い上げてきたが、焦らなかった。
昨晩も夕食をともにした友人、スコット・レイコックの言葉を思い出したからだ。
“どんなシーンでも他人に惑わされないで、今までどおり、自分のゴルフをすればいいんだよ―”

最後の18番で、伊沢がイーグル狙いの2オンに成功した。
ジョーンズも、残り189ヤードの第2打を、5アイアンで狙っていった。
約9メートルのイーグルパットは決まらなかったが、大会は、大いに盛り上がって幕を閉じた。
ツアー初優勝の4000万円は、これまで獲得した賞金を全部、集めても、まだあまるくらいだ。
「う〜ん…!! いきなり、こんなビッグマネーが手に入っちゃって。使い道に迷ってしまうね!」
翌月曜日には帰路につき、故郷・オーストラリアで待っている婚約者、アデル・シンプソンさんに、まずは真っ先に、嬉しい報告をするつもりだ。

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