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Philip Morris K.K.Championship 2002

「喜びだけじゃない、悲しみも分かち合うのが、オージー流」

ブレンダン・ジョーンズ、友人に捧げる初優勝

先々週のデービッド・スメイル(ニュージーランド)と先週のスコット・レイコック、そして、今週のブレンダン・ジョーンズ。
これで、豪州ツアー出身の選手が、3週連続で日本ツアー初優勝だ。
その原動力に、ひとりの友人の存在があった。
ジョーンズの所属先、テイラーメイドの用具担当をしている馬場亮輔さん。
3週前、日本オープンの週の火曜日、馬場さんは、63歳のお父さんを病気で亡くされ、悲しみにくれていた。
その肩を抱き、ジョーンズたちは、こう宣言した。
「君を元気づけるためにも、必ず勝つから。お父さんに良い報告ができるよう、ベストを尽くすから…」
この日最終日も改めて、この約束を繰り返し、ジョーンズはスタートしていったのだった。

18番グリーンで馬場さんが、こぼれる涙も隠さずに、まっしぐらにジョーンズの胸に飛び込んでいったのには、そんなわけがあった。

「ほんとうに、嬉しかった。
ジョーンズの優しさは人一倍で、あのときも、『喜びだけじゃない、悲しみも一緒に分かち合うのが、僕たちオーストラリア人なんだ』なんて、言ってくれましてね。そのとおり、ツアー初優勝も果たしてくれて、本当に、本当によかった…」(馬場さん)

泣きじゃくる馬場さんの身体をしっかりと受け止めてジョーンズは、
「約束、果たしたよ!」。

“チーム・オーストラリア”が演出した勝利のダイブには、馬場さんも加わって、喜びを分かち合った。
ずぶぬれになったジョーンズを見て馬場さんが、心から、楽しそうに笑っていた。
その笑顔をしみじみと眺め、
「ツアー初優勝も嬉しいけれど、彼の喜ぶ顔が見られたことも、僕にとっては、同じくらいに嬉しいよ」と言って、ジョーンズは、優しい笑顔を見せていた。



  • 18番グリーンそばでジョーンズの表彰式を見守る仲間たち。左から、レイコック、ギリガン、馬場さん、バックウェル。

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