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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2002
< 上位選手のコメント&トピックス > ・ 「いれちゃってください、ここまで来たら」
佐藤が、18番のセカンドを、ピン下9メートルにつけると、久保谷は、佐藤に歩み寄って、そっと手を差し出した。
「決まりだね、おめでとう!!」
4日間、毎日同じ組で回ったライバルに、完敗だった。
前半こそ、首位の奪い合いで、佐藤とマッチレースを展開したが、後半は、要所要所での久保谷のミスがひびき、差は徐々に広がっていく。
15番では、第2打を、30センチにつけ、佐藤より先にOKバーディを決めて3打差まで詰め寄ったのもつかの間。
直後に、11メートルものバーディパットを、入れ返された。
次の16番は、佐藤が手前のバンカーから寄せきれなかった8メートルを沈めて連続バーディに、「もう、ごめんなさい、という感じ」(久保谷)
17番パー3では、ピン1メートルにピタリとつけられ、3連続のチャンス。
とどめの一撃を食らい、「もう入れちゃってください、ここまで来たら、という感じでした」と、苦笑いで降参するしかなかった。
完璧なゴルフを前に、「今日、自分が勝つには、ひとつのミスも許されなかったんです」と、感嘆の思いで、佐藤のウィニングパットを見届けた久保谷。18番グリーンではチャンピオンの肩を引き寄せて、改めて、「おめでとう」と、勝利を称えた。
★ 敗れた久保谷のはなし
「絶対にボギーを叩かない佐藤さんのゴルフ。その中で、パターが良い転がりをしたときに入るという内容。久々に、ミラクルパットを見ましたね」
★ 佐藤のはなし
「久保谷君とは、4日間、バーディの取り合いでとても楽しくプレーできた。最終日こそ、3日目までよりは、口数も半分くらいに減ったけど、お互いに良いショットのときは誉めあいながら、いい雰囲気で優勝争いができましたね」