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東建ホームメイトカップ 2003

身体を鍛えなおしてリニューアル、鈴木亨が2位

「新しい鈴木亨の1年目、良い年にしたい」
  身体を鍛えなおしてリニューアル、鈴木亨が2位

8番で7メートルのバーディパットがわずかにカップをそれると、思わず握り締めて いたパターを振り上げ、「もうひとつで(トップに)並べたのに!」と悔しがった が、それでも、通算7アンダーは1打差の単独2位。
「開幕戦でこんなに上なんて、もしかしてデビューして初めてかもね!」鈴木の表情が、どこまでも明るい。今年デビュー15年目。シード入りしてから、10年目になる。

ここ数年は、葛藤の日々だった。ツアーは通算6勝。「自分でもそれなりの活躍をしてきた」とは思うが、どこか満足しきれず、反省すべき部分もたくさんあった。また、周りを見回すと選手層はどんどん若返り、自分はすでに、中堅と呼ばれる年齢に差し掛かっている。
「ふと、これからの10年を考えたとき、ものすごく不安になった。自分は他の多くの選手のように、このままで終わってしまうのか・・・。“新しい鈴木亨”を作り直す時期が来ている、と痛感した」
その一環として鈴木はまず、トレーナーとの専属契約を結んだ。これまで、「人にお 金を払ってまで身体を見てもらったことがなかった」という鈴木の大英断。それほど までに、考え方や方針に共感できる人との、出会いだった。このオフ、その人物のおかげで、いままで抱いてきた疑問や不安、迷いがウソのよう に消えた。
自分の弱点や、気になっていた「身体のバランスの悪さ」が、週1回のトレーニング で徐々に解消され、理想の形に向かっていくのが、実感できたからだ。「まさに、目の前がパーっと晴れて、生まれ変わっていく感じだったんです」そして、迎えた今週の開幕第1戦だったのだ。
スタート前は、「ここまでやったのだから、これでダメならしょうがない」と良い意 味で開き直る一方で、やはり、例年とは違うオフの過ごし方に、不安も募った。「出だしの2番ホールあたりまで、心臓バクバク(笑)。でも、こんなに良いスタートが切れたなんて、自分でもビックリ。“ヨシ、今年はやってやろう、いや、絶対にやれる”との思いが沸いてきた、1日でしたね」
この日初日は“新生・鈴木亨”の第一歩。「これをきっかけにこの1年を、ぜひ良い 年にしたい」。最高の形で2003年シーズンを踏み出した。

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