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JCBクラシック仙台 2003
『差はないものとして・・・』超大型ルーキー・宮里優作がいよいよ本領発揮
今季デビュー後、米ツアー1試合、国内4試合。うち3試合で予選落ち。アマ時代のように、思うように結果が残せないもどかしさ。周囲の期待のあまりの大きさに、だんだん声も小さくなり、姿勢もうつむき加減になっていた。「周りが過剰反応しているのが今はつらい。しばらく、構わないでいただければ・・・」らしくないコメントが飛び出すくらいに、重荷だった。
だが今週は、大学4年間を過ごした準・地元、仙台での試合。通勤は、コースまで約30分のところにある青葉区の自宅から。コースに来れば、母校・東北福祉大の学生たちが運営アルバイトとしてコースに散らばり、ロープの外から応援をしてくれる。「いつもと同じような生活でホっとする」とこの3日間、リラックスしてラウンドできたことが大きい。今年課題として取り組んできた「フラットなプレーンのスイング」にも冴えが出てきた。今週は特に、距離感を安定させるため、ターフを薄く取るようなショットを心がけている。ここにきてようやく、思うとおりのスイングができるようになってきた。
この日3日目は、8番パー3でスーパーショットだ。6アイアンで打ったティショットが、いったんカップに飛び込んで、跳ねて出てきた。「一瞬、球が消えるのが見えたんです。一度入って出てくるなんて、入れちゃうより難しいよね!」もし入っていれば、記念となるツアー初のホールインワン達成だったが「入ってると、きっと、ウキウキしちゃってダメになってた。あそこで入らなかったから、あとに、つないでいけたんです」と、どこまでも前向きに、1イーグル5バーディ(2ボギー)でまわって通算12アンダー。
5打差から追いかける最終日は、「ちょっと離れすぎちゃったけど、差はないものとして頑張ります・・・。友利さんの押さえたショットを見るのも楽しみ!!」