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サトウ食品NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2003

<その他の選手のトピックス>『天国の師匠が応援してくれました』これがツアー出場6試合目、中田慶史郎がコースレコードタイ記録で11位タイ

亡き師匠に、良い報告ができる・・・。
これがツアー6試合目の中田慶史郎が、コースレコードタイ記録の64をマークして、 11位タイに浮上した。
初めて予選通過を果たして挑んだ最終日は、金子柱憲、細川和彦とのプレー。2人 は、中田がこれまで回った選手の中で、一番のビッグネームだった。
「偉大な先輩に挟まれて、ギャラリーもいっぱいでものすごく緊張したけれど、とに かく『これも勉強のひとつ』だ、と。自分のことを精一杯やろう、と思った」(中 田)。
プレッシャーの中、中田は自分のスタイルを貫く。チャンスホールでも、無理に攻め ずできるだけ、120ヤード前後の距離を残すように心がけた。それは、もっとも得意 とするピッチングウェッジの距離。攻めていきたくなる気持ちを押さえて、「常にグ リーンのセンター狙いでボギーを打たず、徹底的にパーを拾って、その中でチャンス を取っていこう、と決めていたんです」。
それは、尊敬する師匠の教えでもあった。今年3月に享年68歳でこの世を去った橘田 規(きったただし)プロ。
大学3年のとき、父親のつてを頼って門を叩いて以来、「見様見真似」(中田)で懸 命に、その技を盗もうと努力してきた。それがこの日のプレーに生きた。
3番パー5では、残り50ヤードをチップインイーグル。「天国から、師匠に応援して もらったように感じました」。
ファイナルQT46位の資格で、ツアーへの出場権を手に入れた今年、「もっともっと、 教えてもらわなくちゃならないことがたくさんある」と、思っていた矢先だった。師 匠の死。無念でならなかったが、「こういう結果が出て、“やっとプロらしくなって きたかな”と・・・」そう言ってはにかむと、中田は、今週初めて高く晴れ渡った新潟 の青空をそっと見上げた。

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