奇跡の再・大逆転。誰ひとりとして予想していなかった、葉の日本ツアー初優勝。
しかしたった一人だけ、最後まで祈りつづけてくれた人がいた。
婚約者の蔡玉如さん。

「最後のバーディパットを打つ瞬間、『入れ、入れ〜っ』てずっと、念じてました。 ・・・でもまさか、ほんとに入るとは、思っていなかったけど・・・」はにかんだ笑 顔は、 まさに“勝利の女神さま”だ。
中学からの同級生で、8年の付き合いになる彼女は、2000年に優勝したベンソン＆ ヘッ ジスマレーシアオープンのときも、ずっとそばについていてくれた。

そして今週。普段は日本と台湾で離れて暮らしている恋人が、久しぶりに応援に駆け つけたとたんの初Ｖ。
優勝インタビューでフィアンセのことにふれられると、数秒間、沈黙した葉。顔を赤 らめ、「・・・みなさん、今日はありがとう」などとわざと、とんちんかんなことを 言ってはぐらかしたが、表彰式、記念撮影とチャンピオンの行事を済ませ、18番の ギャラリースタンドにもほとんど人が引けたころ。改めて見つめあい、熱い抱擁を交 わした2人。

「ほんとうにほんとうに、ハッピーだね！！」。

最愛の人に支えられ、つかみとった日本初タイトル。輪厚の森を背に手をつないで歩 く姿はほほえましく、幸せに満ち溢れていた。