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ジョージア東海クラシック 2003

第34回ジョージア東海クラシック 2日目2位と3打差の単独トップで、プロ10年目の丸山大輔がツアー初優勝のチャンス

なんとしても今年中に、初優勝をあげたい理由がある。来年春、結婚予定のフィアン セがいるのだ。
竹腰真矢さん、28歳。先週、ご両親にも挨拶を済ませてきたばかりだ。「だからね、 なおさら、“この人になら”って言ってもらえるように、頑張りたいんだよね」。

優勝争いを繰り広げた8月のサン・クロレラクラシック。真矢さんはちょうどタイに 旅行中で、応援には来られなかった。

あとで、プレーオフの末に敗れたことを知り、「ぶうぶう怒ってた」。丸山本人は、 その直後はしばらく夜も眠れないほどショックを受けていたのだが、「彼女があっけ らかんとした性格なのでね」おかげで、気持ちが幾分、楽になったという。

振り返れば、そのサン・クロレラクラシック最終日。2位と1打差首位で迎えた18番 ホールはこれまで経験したことのないようなプレッシャーに襲われていた。手も身体 も思うように動かせず、3メートル半のパーパットを外して、豪州のブレンダン・ ジョーンズと手嶋多一とのプレーオフに突入。その1ホール目にあっさりとジョーン ズに負けた。

初優勝をみすみす逃し、「悔しいというか情けない・・・」がっくりと頭を垂れた表情 は、こころもち、青ざめていたものだ。

そのとき、「今日勝てなければ、このあと相当苦労すると思う」との苦し紛れのコメ ントを残した丸山だったが、試練を乗り越え再びツアー初優勝のチャンス到来。
負けたショックで悶々としていたとき、プレーオフの末に優勝したジョーンズも、や はりその前年度の同大会ではプレーオフで敗れていたことを人づてに知った。

また、通算113勝を誇るジャンボ尾崎さえ「優勝の数以上に、2位の数も多いって聞い て・・・」。今回の自身の敗退はまだまだ序の口、と気持ちを取り直すことができたの だ。 この日2日目は、16番パー3でティショットを左のがけ下に落としてダブルボギーを 打ったが、最後の難しい18番では左5メートルのバーディパットを決めてひとつ取り 返してフィニッシュできた。
通算10アンダーは、2位と3打差。自身初の単独トップで迎える決勝ラウンドでは、二 度と同じ轍は踏みたくない。「またあのとき(サン・クロレラクラシック)と同じ状 況になっても、今度はなんとか乗り切りたい」。

このまま首位を走りつづければ、最終日は彼女も応援にかけつけてくれるかもしれな い。目の前の優勝シーンで、惚れ直させたい。

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