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三井住友VISA太平洋マスターズ 2003

4位タイの矢野東

今週、さっそくカーチスのもとへ挨拶に行ってみた。まず、全英オープンのお祝いを言ってから、「俺 のこと、覚えている?」。すると、もともと優しい顔立ちをますますほころばせて、「ああ! 覚えてい るよ。キミ、あのときの“タイガー”だろ!?」。

カーチスと矢野は、同い年だ。98年の日米大学ゴルフ選手権では、ともに戦ったライバル同士でもある 。同選手権の2日目、矢野はベストスコアの64をマークして、みんなから「オマエは日本のタイガー・ ウッズだな!」と、もてはやされた。カーチスは、最終日に個人優勝をあげ、MVPを獲得した。

あれから月日は流れ、かたや全英オープン覇者として再会した2人。メジャーチャンプとなった今でも カーチスは、当時のことをよく覚えていてくれたのだ。

あのころは確かにショットとパットの正確性が光っていたが、しかしそれほど飛ぶわけでもなく、カー チスに対して「特に強烈な印象はなかった」と、矢野は振り返る。「・・・それでも、勝っちゃったんだ もん、すごいよね!」素直にその偉業をたたえる一方で、当然、対抗心も燃え上がる。

夏にガラスのコップで手にひどい怪我を負ったのをきっかけに、ずっとスウィングの調子を崩していた が、内藤雄士コーチとの二人三脚で、ようやくここに来て戦える状態になってきた。

カーチスは、2打差の首位発進をしているが、「僕だって、かなり調子が良いからね!」言葉にひそかな自信をこめた矢野。

最終日こそライバルを退けて、見返してやるつもりだ。

写真=この日初日は、やはり同い年の近藤智弘(=左)とのプレー。2人で競い合うようにスコアを伸ばし、6番では残り250ヤードの第2打を手前2.5メートルにつけてイーグルを奪うなど67でまわって4位タイ発進「ゴルフの調子が良いだけに、最後まで“調子”に乗りすぎずプレーしたい」(矢野)。

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