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サン・クロレラ クラシック 2003

武藤俊憲が首位キープ

あのときは、半信半疑だった言葉がいま、確かな自信をつけさせてくれている。今年 2月のこ とだ。正式に契約を結んだテイラーメイド主催のオフの米国合宿で、田中秀道とラウ ンドする 機会があった。ハーフ9ホールが終わったとき、田中が武藤に言ったのだ。
「これからいろいろ言ってくる人も増えると思うけど、武藤君はそのまんま思ったと おりのゴ ルフをしていけば絶対に大丈夫。・・・これからが、楽しみだね!」。研修生時代は、 テレビで 見て、ひそかに憧れていた選手だ。ゴルフだけではなく、ファンを大切にするその姿 勢などす べてが理想だった。
そんな選手からの直々のアドバイスに感激した反面、「まだ、日本ツアーにも本格参 戦してい ない僕のどこが、大丈夫なんだろう・・・??」と、当時は実感がもてなかったのだ。 武藤は先 週まで、7試合連続して予選落ちしていたから、なおさらだった。
しかし今週、こうして2日連続で首位に立ち、ようやく田中の言葉が染み込んでき た。 「今日みたいなスコアが出たら、田中さんが、言ったとおりになったみたいで、なんか嬉しい !」。
これまでは、“予選通過”が第一の目標だった。今回、それを叶えてツアー2度目の 予選通過は、いきなりの上位争い。初の決勝ラウンド最終組でのプレーは憧れの選手の言葉を 胸に「自信を持って、1打でも少なく上がることを考えてプレーする」と、気持ちを切り替え ていた。
写真=午前中は、激しい風雨に競技が一時中断(10時54分)。12時04分の再会まで、武藤はキ ャディの榎並雪彦さん(=写真左、40歳)のお母さんが持たしてくれたおにぎりを食 べて、パ ワー充電。地元・北海道出身の榎並さんは、全国で約30人しかいないというスキーの 全日本デ モンストレーターの資格をもつ人物だ。武藤とは、5年前に群馬県の草津CCで知り合って以来 、一緒にラウンドするなど親交を深めてきた。「榎並さんには、新潟から担いでも らってます 。とっても頼りにしてるんですよ!」(武藤)

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