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中日クラウンズ 2003

『調子が良くても勝てないのがゴルフ』ショットの不調に苦しみながらも藤田寛之が優勝争い

師匠の芹澤信雄には、「1日1000球、打ち込みをしろ」といわれるくらい、いま、 ショットが不調だ。 「カット目に入れて腰のターンで低いフェードを打つ」元来の藤田の持ち味が失わ れ、思うように球が 操れない。
対策は取っているが、まだまだ右に飛んでいく傾向が強く、この日もショットに安定 性を欠いて苦しめ られた。 加えて、日に日に難しさを増す和合コースだ。

「グリーンがかたく、ピンの位置が厳しいとなれば、ほとんど、落しどころが1点し かないホールもあ って。攻めても逃げても難しい、紙一重の状況。それでもつい気持ちはピンに行って しまった」
8番でも「欲をかいて」第2打を手前のバンカーへ。そこからの脱出も失敗してダブル ボギーだ。「右ラ フから3メートルのバーディ圏内を狙ったばっかりに・・・。ここは7メートルに乗せて パーで良かった」 と、後悔しきりだ。
しかし大きなミスも、ここまでだった。この日は、ほかにも1番、7番、13番、14番、 16番と5回バンカーに打ち込んでいるが、すべてパーセーブ。 小技には定評のある藤田だけに「今日はこのあたりで持ち味が出せたかな」と、納得 顔で首位タイ浮上だ。
「今のショットの状態では、今季2勝目のチャンスと思えない自分が悲しいけれど、 調子が良くても勝てないのがゴルフ。置かれている状況に集中して、明日1日戦い抜 きたい」と冷静に話した。

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