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フジサンケイクラシック 2003

『ほんと、自分も頑張らなくちゃ!」シード2年目の野仲茂が4打差2位、ツアー初優勝も狙える位置に

昨年11月のカシオワールドオープンから「賞金を稼いでいないんですよ」と、頭をかいた野仲。
アイアンショットがひっかかり気味でスコアが作れず、昨シーズンから数えて先週まで5試合連続の予選落ちを重ねていた。
今週、やっと今季初の本戦突破を果たしたと思ったら、あれよと言う間に優勝争い。

「ほんとうは予選通過さえも僕の中ではあと2、3試合かかる予定だったんですが・・・。なんだか、恐いくらいです」と照れ笑いだ。
今年1月には長女・美羽ちゃんが生まれたばかり、ということもあり、予選落ちが続いたときには、週末、自宅に帰るごと、さすがに肩身が狭い思いもあったが、「暗い顔していると、奥さん(陽子さん)にも心配かけちゃうし、あえて明るくふるまって」落ち込む間もなく、練習場通いに励んだ。
友人のレッスンプロにスィングをビデオで撮影してもらい欠点がわかった。トップの位置が低すぎて下からクラブが入りプッシュアウト気味になっていた」。毎日500球以上の打ち込みで、修正に全力を尽くしてきた。
さらに週末のゴルフ中継は、必ず毎週ビデオに録って上位選手のプレーをチェック。「強い人のゲーム運びなど、一生懸命、研究してました」という。
特に刺激されたのは、自分と近い年代の選手たちの活躍だ。先週優勝の星野などはぐずぐずしていられない。ほんと自分も頑張らなくちゃ、という気にさせられました」。
そんな意識改革と、数々の努力の甲斐あって、徐々に上向いてきた矢先だった。翌最終日は、シード2年目にして、ツアー初優勝も狙える位置。「きっと明日朝はすごく緊張する。でも、とにかくマイペースでやると決めてます」そのとき、大きな瞳が生き生きと輝いた。

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