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フジサンケイクラシック 2003

『なんでみんな平気な顔なの?』9番ホールでのホールインワン達成も藤田寛之の心が晴れないそのわけ

9番パー3で、ホールインワンを達成したというのに、藤田がなぜか浮かない顔だ。 「試合で2度目のエース! もちろんそのときは嬉しかったけど、いまは寂しい ・・・」。
藤田の心を憂鬱にしている“敵”は、川奈のクライマックスホールの18番パー4 (410ヤード)。 大きく右に傾斜したフェアウェーは、グリーンまで強烈な打ち上げとなっており、ラ フから球を止める のは至難の業。さらにグリーン右手前に2つと、奥に深いバンカーが横たわり、かな りの技が要求され る。
「ここでフェアウェーを外すとパーセーブさえあきらめなくてはならないくらい、僕 にとって難しいホ ール」という藤田は、昨年大会も2日目にダブルボギーを打って予選落ちしている。
この日の2日目は、なんとかフェアウェーをキープしたにもかかわらず、ボギーを 打った。 「フェアウェーからボギーですよ、フェアウェーから! まったく何やってんだ か…」と終始、自嘲気 味だ。
「苦手」とする川奈で、鬼門ホールの直前まで5アンダーと順調に来ていただ けに、このボギー は9番での快挙達成の喜びも帳消しになるほど、ショックな事件だった。
「なんでみんなあのホールを平気な顔してあがってこれるの!?」と、やり場の無い 苛立ちをぶつけた 藤田。「僕がここで優勝争いしたら、間違いなく勝てないね・・・」通算4アンダー10位 タイにも、弱気な 発言ばかりが飛び出す。「18番ホールも含め、川奈で勝てる人って、ほんとうにゴル フがうまい人なん だろうなあ・・・」。
トータル的に考えれば、9番でのエースも、この日の66というスコアも十分に満足で きるものではあるのだが、最後の18番ホールを完璧に攻略できないうちは、藤田の心が晴れることはなさそうだ。

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