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日本オープンゴルフ選手権競技 2004
深堀圭一郎・ディフェンディングチャンピオン「与えられた数少ないチャンスをねらって、ベストを尽くします」
自然の地形を生かして作られたフェアウェーは複雑にうねり、落下地点が見えないホールも多い。
点在するバンカーは、人の身長以上に深いものもあり、生い茂ったラフは場所によっては130ミリ以上。入れたら最後、レイアップはまぬかれないだろう。
日本海から吹き上げてくる激しい海風は、塩気を含んでいるせいだろうか。思ったよりも、飛ばないホールもあって、番手選びに惑わされる。
本番からの天候と、風向きと強さ、グリーンのスピード、ピンポジション…。それら条件によって、クルクルとコースは、その表情を変化させていくだろう。
「ドライバーを持つホールも、まだはっきりと決められない。キーホールは、と考えてもすべてがキーホールになる、としかいいようがない。ここは、より正確なジャッジメントができた選手に分があるコース。僕も、明日までになんとか対策を考えたいと思います」。
まさに「ナショナルオープンらしいコースセッティング」に顔をしかめたディフェンディングチャンピオンは、しかし、目の前に立ちはだかるものが大きいほど、燃える性格でもある。
連覇を果たした選手は過去5人(7回)。しかも直近の達成者は2000年の尾崎直道と、ここしばらく間があいている。
そんなデータを踏まえた上で、昨年、5打差からの大逆転優勝をあげた深堀は、よどみなく言い切った。「今年、僕がその数少ないチャンスを与えられた。難しい条件にも根をあげることなく自分をしっかりと持ち、4年ぶりの連覇をねらって、ベストを尽くしたい」。照準は、定まった。
写真=この日水曜日の練習ラウンド。ピン位置を想定して、グリーン上にいくつもティをさして目標を作って熱心に球を転がす深堀。あまったティをポケットに入れるのももどかしく、口にくわえたままパッティング。