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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2004
通算13アンダーで3人が並ぶ混戦模様から、高山忠洋が初優勝を狙う
ホールアウト後のインタビューではトレードマークの笑顔も影をひそめ、ほとんど表情がない。
「…初めて追われる身を経験して…。ひとつのミスから、気持ちも下向きになってしまった」と、つぶやいた。
単独首位でスタートしたこの日は、朝からショットが曲がっていた。それでもなんとかこらえ、前半は2番のイーグルを含む5バーディ。さらに11番のバーディで、目標にしていた16アンダーに到達した。
と、途端に押し寄せてきた優勝争いのプレッシャー。
12番、13番でティショットを立て続けに右ラフに打ち込んだ。そのとき、手に残った「嫌な感触」が、14番のピンチを招いた。
大きく左に曲げたティショットは、OB杭すれすれ。アンプレヤブルを宣言した第3打は木に阻まれてグリーンが狙えず、アドレスも後ろ向きに、ティ方向に向けて打つしかない。
残り198ヤードの第4打もわずかにグリーンに届かず、5オン1パットのダブルボギーに、「1回のミスショットから、焦ってボロが出た。アイアンの距離感もバラバラで、結局、並ばれてしまった」と、後悔しきりだ。
それでも、これが最終日でなかったのがせめてもの救いだ。失敗を、次に生かすチャンスが残されている。
「これを糧に、明日もう1回チャレンジしたい。今週でもう最後、くらいの力を振り絞って最終ホールを迎えたい」。気持ちを入れ替え、初優勝に挑む。