Tournament article
カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2004
シード権争いの渦中矢野東、飯島博明は予選落ち
その覚悟は、できているはずだった。
しかし、「いざ、大会が始まったら守りたい気持ちがきて、プレーに集中できなかった」と、矢野東(=写真上)が唇をかんだ。
先週までの賞金ランクは、約1578万円稼いでぎりぎりシード圏内の69位。
とはいえ、例年にもまして、ボーダーライン(72位、約1472万円)が底上げされた今年は、1600万円台に乗せておかなければ安泰とはいえない状況だった。
「回りを気にせず、自分のゴルフをしよう」そう決めてこの最終戦に臨んだはずだったのに、ラウンド中は、スコアボードばかりが気になった。
「やっぱり、ファイナルQTには行きたくない」その思いにがんじがらめにされて「何でもないミスに腹を立ててみたり…」思うようにプレーさせてもらえなかった。
初日に4オーバーを打って76位と大きく出遅れた。この日2日目もその分を、取り返すことができなかった。
通算6オーバーで、予選落ち。
「もう少し、粘りたかった。でもそのための、ゆとりもなかった…」。
現在、矢野より下位のシード圏外につける高見和宏(賞金ランク74位)や、宮里聖志(同76位)らが予選を突破しているだけに、彼らに獲得賞金で抜かれれば、矢野はおのずと振り落とされる。
「…残り2日間、ほかの選手の結果を、待つしかなくなってしまいました…」。
現在、賞金ランク70位の飯島博明(=写真下)は6月のミズノオープンで単独2位につけて、来季のシード権はほぼ当確、と言われていた選手だった。
「…油断、しましたね」。
そのあと、予選落ちが重なりこの“最終戦”まで初シード入りを引っ張ってしまった。
その責任は「自分自身にある」。通算7オーバーで、このラストチャンスもふいにして、この週末は矢野と同様「胃が痛い」2日間を強いられる。
「どちらに転んでも、ファイナルにむけて頑張るつもりで気持ちを切り替え、気持ちの整理をつけて…あとは神様に身を任せるしかない」。
矢野も飯島も、もはや自分の力ではどうしようもない状況に自分を陥れてしまった。
あとはもう、来季の出場優先順位をかけた最後の戦い『ファイナルQT』を視野に入れて、ひたすら調整に励みつつ、週末の“朗報”を待つしかない。