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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2004
ブレンダン・ジョーンズが単独首位発進
今年8月の全米プロ。練習日に一緒にラウンドしたとき、ハミルトンが教えてくれた。
「米ツアーの選手でも、僕らと同じようなミスをする。だから失敗しても、“自分だけじゃない”と気持ちを切り替え、しっかりとリカバリーしていくことが、大事なことなんだよ」。
今年の全英オープンの優勝インタビューで、ハミルトンが自身のプレースタイルについて語った「アグリーゴルフ」は直訳すれば、「醜いゴルフ」となるが、「それは、違うと思うんだ」とジョーンズは言う。
「確かにトッドは、ウッズやビジェイ・シンのようなスーパープレーをする選手ではないかもしれない。でもその分、日本にいたときより、コースマネジメントが数段、良くなっているし、それは、日本で自分の持ち味を磨いて羽ばたいていったからこそ。だから彼の活躍は、僕にとっても大きな励みなんだよ」。
やはり、日本ツアーで腕を磨いてきたジョーンズにとって、ハミルトンこそヒーロー。
冬の木枯らしが吹き荒れたこの日初日もスタート前に、「とにかく、ハミルトンのようにいかにフェアウェーをキープしていくかを考えながら、ストレスの少ないゴルフをしよう」と、キャディと確認しあった。
5番パー4でティショットを右に曲げるピンチもうまくカバーして、ボギーなしの65。単独首位に躍り出た。
この大会で日本ツアーとは「サヨナラ」だ。今季のネーションワイドツアーで賞金ランク6位。ファイナルQスクールから勝ち上がってくる選手との兼ね合いで、優先順位は11番目前後となる見込みだが、来季のUSPGAツアーにほぼフル参戦できる。
もちろん、スケジュールさえ合えばいつでも戻ってくるつもりでいるが、来季から米ツアーに本格参戦を果たすジョーンズにとって、ひとまずこの今季最終戦が、日本ツアーでの最後の試合となる。
“有終の美”を置き土産に、来年は心おきなく、ハミルトンの背中を追いかけていくつもりだ。