伊沢利光「今日は僕に、流れがなかった」

2位と2打差からスタートした最終日。1番で、ティショットがバンカーのヘリ近く。5番では3パット。7番ではバンカー目玉…。

ボギーが先行し、苦戦が続く。
最初の貯金をあっけなく吐き出して、「今日は僕に流れがなかったよ」と、うなだれた伊沢。

伊沢利光、片山晋呉、宮本勝昌。
最終組の、この豪華なペアリングを一目見ようと駆けつけた大ギャラリー。そのうちの多くが、伊沢の優勝を望んでいたはずだ。

出身の神奈川県から、ここ地元・飯塚市に移り住んで4年目。
伊沢がひとつスコアを落とすたびに、ため息とも、悲鳴ともつかない声があちこちからもれ聞こえてきた。
そんな中、結局、最後の最後までファンを沸かせることができなかった。
最終18番。
わずか2メートルのパーパットを外してボギーフィニッシュ、落胆の声。
やり場のない自身への怒りをどうにかこらえて「来週、また頑張ります」と、気をしずめるしかなかった。

宮本勝昌「次は胸を張って言いたい」

5番パー3で木に当たったティショットが、真下にいた観客のポケットに“ホールインワン”。
「驚いて、グリーンのほうに投げてくれてもよかったのに」と、半分真顔でジョークを言ったが、木に当たって落ちて来ていなかったら、がけ下を転がり落ちて、もっとひどいトラブルになっていたかもしれない。

ここは無罰でドロップできたものの、しかしこのホールも含めた前半の3ボギーが痛い。

「…ショットが良くなってきたのは最後の４、５ホール。優勝争いでは、それじゃあ遅いんだよな」と、反省しきり。
最終組の3人が、揃って優勝をヤンに譲っってしまったことも悔しい。
「…せめて次、優勝できたときに『今回の経験があったからです』って胸張って言えるようにしたいですね」。気持ちを入れ替え、翌週からまた再チャレンジだ。

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