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マンダムルシードよみうりオープンゴルフトーナメント 2005

渡辺司「出場するからには、優勝と優勝争いを目指して頑張ります」

“引退”を決意したのは昨年の9月だった。賞金ランクは低迷し、初シード入りした85年から20シーズン守り続けてきたシード権を失って、収入と支出の割が合わなくなった。
「僕にとってツアープロの仕事が、仕事として成立しなくなった、と感じた」。
意地をはってまで、夢を追いかけていく勇気はなかった。「家族には迷惑をかけたくない・・・」。
当時47歳。選手生活に、限界を感じた。

だから、出場優先順位を決めるファイナルQTにももちろん、エントリーしなかったし、プロ24年目の渡辺の場合、『1973年ツアー制施行後の生涯獲得ランキング上位25位内』という資格が1回限りの1年間のみ適用できたが、それも申請しないつもりだった。
「ツアーで通用しないのに『出場権がある』という理由だけでしがみつくのは絶対に良くないと思ったから」。

そこまで決めていた渡辺が、2005年にまたツアーに戻ってきた大きな理由は、スポンサーへの恩義があったからだ。
所属先のセガ サミーホールディングスは今年、新規のトーナメントを開催する。

7月の「セガサミーカップ」がそれで、第1回大会を迎えるこの大事な年に、「ホストプレーヤーがいない、というのはやはり寂しい」と、諭された。

「お世話になった方々に恩返しがしたい、というのが第一の理由ですが、ほかにも自分自身、いろいろ思うところがあって。今年もう1年、頑張ってみようと思ったんです。出場するからには、優勝と、優勝争いを目指して全力を尽くします」。

ツアー初優勝が、94年のよみうりオープン。思い出の大会での好スタートに、復活の糸口を懸命に手繰り寄せる。

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