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〜全英への道〜 ミズノオープンゴルフトーナメント 2005

飯島博明が、単独首位スタート

スタートの10番で、残り104ヤードの第2打をサンドウェッジで直接入れた。いきなり、チップインイーグルの出だしに改めて、さまざまによみがえってくるものがある。

ここ、JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部が「大好き」だ。
ところによっては、腰まで埋まってしまいそうな深いラフ。ホール間をさえぎるものはなく、海からの強風がもろに吹きつける難コース。
「目印が何もないのに・・・なぜかショットのイメージが良くなる。ここに来ると、ティショットが曲がる気がしない。今年も、またこんな良いスコアが出るなんて」。
後半のアウトで、4番から4連続バーディを含む65に、目を丸くしてみせた。

昨年の今大会。最終日の最終ホールで、首位のブレンダン・ジョーンズにバーディで追いついて、プレーオフに持ち込んだ。その2ホール目にティショットを池に打ち込み涙をのんだが、自己ベストの2位には満足だった。

この2位で、初シードは間違いないといわれ、本人も大いにその気になった。
「・・・油断、しましたね」。
そのあと、予選落ちが度重なって、とうとう最終戦のカシオワールドオープンまで引っ張った。予選通過さえできれば・・・という状況で、「しびれてゴルフができなかった」と、あえなく予選落ち。

結局、賞金ランクは73位。33万4027円差の次点で初シードを逃した上に、予選会のファイナルQT練習日に、階段を踏み外して右足小指の付け根を骨折して棄権した。

出場優先順位は、ランク212位。ツアーの出場権はおろかこの順位では、今年はチャレンジトーナメントにもまだ出場できていない。昨年2位の資格で権利を得た今大会が、まさに今季の初競技だ。
そこでいきなりの単独首位スタートに、コースとの相性の良さを思わずにはいられない。

優勝を逃したときも、初シードを逃したときも、当時は当然、ひどく落ち込んだ。しかし「自分には何かが欠けているのだろう」と、真摯に受け止め、出番を待つ間もひたむきに練習を積んだ。
その成果を、示すときがやって来た。

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