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〜全英への道〜 ミズノオープンゴルフトーナメント 2005
〜全英への道〜ミズノオープンは、首位に4人が並ぶ混戦
所属先セガサミーホールディングスの里見治会長に諭されて、再びツアーで戦うことを決意してから、復活にむけてさまざまに取り組んできた。
右0.2、左は0.6まで落ちた視力を取り戻すために、今年1月に視力回復手術に踏み切った。
昨シーズン、読みどおりのラインに打っているつもりなのに、思いがけない方向にパットが外れることがよくあった。
健康診断で指摘されるまで、ひどい乱視に陥って、傾斜が読みきれていないことに気がつかなかった。
手術のおかげでいまは1.0まで回復し、ラインもくっきりと良く見えるようになった。
これまでのパターの選び方も、変えてみた。
今までは左にひっかけミスが嫌で、アップライト目でロフト3°の「右に行きやすい」パターを好んで使っていた。
「でも、それじゃあ結果的に、ますます左に引っ掛けるようなストロークをしてしまうんじゃないか、と気がついて」。
5月の日本プロで思いきって、「一見、左に向いているように見える」ロフト6°のものを使い、まっすぐにきちんとストロークする練習をしよう、と決めた。
それから6試合目。
「結果が出始めると、自分を信じて打てるようになる。前を向いて、ゴルフができるようになる」。
気持ちが戻ってきたら、あとはプロ生活24年、初シード入りの85年から19年間シードを守り続けた蓄積を、そのままコースにぶつけるだけでいい。
前半の12番で、手前8メートルのバーディパットを入れた。13番で4メートル。17番で2メートル。18番は、残り107ヤードの第3打を、アプローチウェッジで、10センチにつけた。
後半の6番は、ピンまで37ヤードの第3打を8アイアンで転がしてチップインイーグル。
「寄せてかき集めた“運”のおかげで、このスコア」と、謙遜してみせたのもベテランの貫禄。
67で回って、首位タイに躍り出た。
正直、体はクタクタだ。
今大会の上位4人に与えられる全英オープンの出場権も、「今はとても考えられない。最終日の9ホールでこの位置にいたら・・・」と、当面は二の次だ。
「それよりも、なんとか結果を出して会長に喜んでもらいたい」。その一心で、残り36ホールをプレーする。