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〜全英への道〜 ミズノオープンゴルフトーナメント 2005

藤田寛之「そろそろ、心構えが出てきました」

98年、セントアンドリュースで開かれた国別対抗戦のダンヒルカップに出場した。日本代表として、師匠の芹澤信雄とチームを組んでかの地に赴いたときは、「つらい思い出しかなかった」。

開催時期は冬間近の10月。セーターに毛糸の帽子を着込んでもまだ寒かった。
「風も強いし、フェアウェーは硬いし、グリーン周りでウェッジが使えないし。会場の雰囲気はさみしくて、暗いイメージで・・・」。
おまけに、戦績も9戦全敗と惨憺たるものだったから、やはりセントアンドリュースで行われる今年の全英オープンに対する思いはほかの選手と比べると、やや薄かったといえるだろう。

藤田としては、明るく開放的なイメージの全米オープンなどのほうが魅力的に感じるのだが、周囲の評価はまったく逆だ。
イギリスのコースは、藤田のようなプレースタイルの選手にこそ向いている、と言われ続けて次第にその気になってきた。
まして現在、全英オープン日本予選ランク2位。この同・日本予選の最終戦で上位に入っておけば、ほぼ確実に自身初のメジャー参戦が実現するだけに「そろそろ、心構えが出来てきた」という。
芹澤にも、「そろそろ、メジャーにも行っておけよ」と言われ、先週、事務所に頼んで宿と航空券を予約してもらうよう頼んだ。

ここJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は、スコットランドのリンクスさながらのコースレイアウトだ。
「行くまでに、ここで良い結果を出せれば自信もつくし、頑張りたい」。
押さえてもらったチケットを水の泡にしないためにも、掴みかけたメジャー切符は、いまさらほかの誰にも渡したくない。


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