Tournament article
アコムインターナショナル 2005
賞金ランクトップに躍り出た深堀圭一郎
8月のサン・クロレラ クラシックに続く今季2勝目をあげて、獲得賞金は7579万5037円(海外での獲得賞金を含む)。自身初の賞金王へ、大きな一歩を踏み出した。
その深堀が、日ごろからよく口にするのが「何とかして、男子ツアーを盛り上げたい」ということだ。
インタビューに呼ばれるたびに、報道陣に頭を下げる。
「ツアーが盛り上がるかどうかは、記者のみなさんのご協力にもかかっています。できるだけ大きく紙面を割いて、僕らのことを記事にしてください。お願いします」。
一方で、ほかの選手たちにも積極的に声をかけて回る。
最近、何かと気にかけている近藤智弘もそのひとりだ。
初優勝にもっとも近い選手、といわれながら勝ち星がまだない近藤に遠慮ない言葉を浴びせる。
「何やってんだ、気合入れていけよ、気合!!」。
プレー中の悔しさ、喜び、興奮をコースで存分に表現していく深堀に対して近藤は、どちらかというと感情をあまり表さず淡々とゴルフをするタイプだ。
そんな近藤が、深堀には歯がゆい。
「彼はバーディパットを外すんでも、その外し方が情けない、と僕なんかは思ってしまうんですよ。壁をぶち破るには厳しさや苦しさの中でもっともがいて、悔しさをもっとコースで表していくことが必要で、そんなことじゃ一生勝てないぞ、と・・・」。
辛らつな言葉も、後輩を心から思えばこそだ。
「近藤にはほんとうに、できるだけ早く勝ってもらいたい。彼のような選手にもっともっと、ゴルフ界を引っ張っていってもらいたいんです」と、深堀は言う。
若手たちに精一杯のエールを送りながらも、彼らに負けるつもりはさらさらない。
「・・・まあ、戦ったら近藤にも負ける気はしないけど。たとえ彼らが上にいても、必ず抜いてみせますよ」。
そんな強気な言葉の裏側には、いつも血のにじむような努力がある。
賞金レースも、「これからが本当の勝負」と気合を入れなおした深堀が、これからツアー後半戦を引っ張っていく。